File No. 10 電気工事士
住宅の配線やコンセントの設置、電力会社の変電設備の据え付けなど、大小様々な設備工事を担います。インターネット通信や電話の回線工事も手掛けます。
想像から完成まで、わくわくの連続
■Q 電気に興味を持ったきっかけは?
壊れた掃除機などを分解するような子供でした。家電の仕組みに興味があって旭川実業高校の電気科に進み、電気工事士の仕事を知りました。電気は目に見えませんが、光にもなり、物を動かす力にもなります。まずはどうなるかを回路図などで想像し、思いどおりの光や力になったときは面白いですね。
■Q 仕事の内容を教えてください
以前勤めていた会社では、鉄塔の送電線やトンネル工事のための送電を担当していました。今は個人住宅の配線工事の他、ダムの監視カメラを設置するための電気工事など、幅広い現場を経験しています。令和3年4月からは、旭川市役所の新庁舎の建設現場に入っています。
新庁舎の現場では、職人の皆さんが施工するための図面を毎日コンピューターで描き、進捗を管理しています。図面は絶えず描き直しますが、新庁舎は地上9階建てで規模が大きく、全体を把握するのも大変です。1フロアを4分割して精密に作図しながら、各フロアと重ね合わせるようなチェックをし、各種設備の配管や配線がかぶらないよう立体的にイメージします。
■Q やりがいを感じる瞬間は?
完成して引き渡したときに、お客さんの喜ぶ顔を見られるのはうれしいですね。お客さんの希望を聞き、照明の明るさやコンセントの位置を提案しますが、目に見えにくい電気工事で使い勝手を良くできるとやりがいを感じます。そのためには建築や土木など、電気以外の分野も勉強する必要があるので、奥が深いです。
■Q 今後力を入れたいことは?
これからは若い人の力が必要なので、後輩をサポートする存在になりたいです。複雑な仕事でも、どこから着手するかなどのコツがあります。経験で覚えるよりも伝えたほうが早いので、惜しみなく伝え、任せ、育てていきたいです。仕事の内容とともに、物が出来ていく過程のわくわく感や、完成したときの喜びと達成感を若い人にも知ってほしいです。
電気工事士 松下 直樹 さん
高校卒業後、札幌と旭川の電気工事会社で勤務。約20年前に旭川市内の下村電気に転職。現在は旭川市役所新庁舎を担当。
Check!!電気工事士になるには?
国家資格「電気工事士」の取得が必須です。第一種と第二種があり、携われる業務の範囲が決まっています。職業訓練校や工業高校などで資格を取得してから就職する他、入社後に取得する場合もあります。