3-8小路って?
ところは旭川市3条通8丁目。
3条通左と3条~4条の仲通りを結ぶ、両脇に老舗レストランや喫茶店、居酒屋が並ぶ細い小路が「3-8小路」だ。
昭和の頃からまちなか(中心街)切ってのグルメスポットとして賑わっていたこのエリア。若輩の身ながら筆者の記憶でも中国料理店(今は空き地)や大衆食堂があって、下町にありがちな猥雑なムードがあったように思う。が、呼び名がない。
当時、筆者は待ち合わせなどで相手にここのことを伝える時、「信金うら」と言ったり「ケンタッキーから入るとこ」(昔はKFCがあった)などと呼んでいたくらいだ(笑)
そこで動き出したのが、街を盛り上げたいと願うご近所「旭川信金」の有志ご一同。数点の愛称をひねり出し、同店のお客さんの人気投票などを経て3-8小路と決まった。
3条8丁目だから「さんぱち」とは何かフツーだけど(笑)。でも分かり易くていいじゃないか。これならPRもスムーズだ。
なにより旭川信金さんにあっぱれ!!
素敵なサインも取り付けられて、通りをドレスアップ。
読み方はルビが打ってあるように「さんぱち」が、信金的公式愛称(?)なんだろね。
3条通側
3-4条仲通り側
何たって今年は雪が多くて、ごらんの有様。これはまだ良い方で、少し前に撮った時には、排雪がされていなくてもっとすごかった。
以前から雪対策はエリアの懸案となっているそうな。
ともかくは、寄ってらっしゃい食べてらっしゃい、さあ、3-8小路へご案内。
Halloween(ハロウィン)
3条通から小路を行くと右手に、いきなり2Fへ上がる階段がある。その先がHalloween。
上の画像はツリーがあるので、12月に撮ったものかな。階段にはいろんな飾り物がずらり。
ハロウィンのかぼちゃランタンが可愛い。
ランチは階段下でいつもこんな風にインフォメーション。
ランチメニューの提供は11:30~14:00迄。
メニューは日替わりとなっていて、毎日、概ね「日替りライスランチ」(850円/ライス・スープ・サラダ・コーヒーorオレンジジュース付)と「日替りパスタランチ」(850円/スープ・サラダ・コーヒーorオレンジジュース付)の2種類が用意されている。
上画像、この日のパスタはカルボナーラ。
思いのほかさらりとした、飽きの来ない味わい。
どっちかというとトマト系が好きな筆者だが、これは好きになれるリピートメニュー。
以下、いろいろ紹介しましょうか。
ポーク生姜焼き
チキン生姜焼きも人気がある
きのこドリア
ハンバーグきのこソース
というのがメニューの一例。同店は筆者も時々お邪魔してるので、画像たくさんあるよ~(いつも日記代わりに撮っている)。
ふと思えば、ここのシェフはいつもきのこを上手に使ってるな。
とまあ、ご覧のように気軽に食べられる洋食がここの推し。ランチ時には近所の企業の方々と思われる多くの男女で賑わっている。
お店情報
店名:Halloween(ハロウィン)
住所:旭川市3条通8丁目 2F
電話番号:0166-64-6770
営業時間:11:30~15:00 / 17:00~23:00 日替わりランチは11:30~14:00
定休日:日曜
駐車場:なし
ブラジル
3-8小路では、というより、旭川でも指折りに歴史のある店。
創業は1958年。1度目の東京オリンピックより先の話だ。でも、この頃、まちなかって賑わってたんだよね。
「・・・たんだよね」って、筆者は生まれてないけど、図鑑などで見るとそんなシーンが印象的。
そんな中、美味しいコーヒーを出していたんだろう。日本中、歴史ある街には喫茶の名店があるものだ。
サラリーマンとして駆け出しの頃から、また、事務所が近くにあった時期もあって、まあよく通ったもんだ。
昔に比べ、若干メニューが減ったが、この珠玉のメニュー。これを見ただけでよだれが出る(笑)
しょうが焼き定食
たれが絶妙。継ぎ足しながらウン十年的な旨さがある。そして、何度食べても飽きない。
ハンバーグ定食
絶妙な焼き加減のハンバーグに、こってりとしたソース。
んで、これがゴハンに合うのなんのって。
ちなみに筆者、ハンバーグに手を付ける前に目玉焼きをゴハンにON!するのがルーティーン(しょうが焼きの時も同様)。自分で目玉丼にカスタマイズするお客さん結構多いそうな(ママさん談)。
ほか、オムライスやナポリタン、ミートスパゲッティは、昔ながらの味。カレーはさらっとスパイシー。
定食も内容充実で、常連を飽きさせない。
お店情報
店名:ブラジル
住所:旭川市3条通8丁目
電話番号:0166-26-3517
営業時間:9:00~19:00
定休日:日曜・祝日
駐車場:なし
仏蘭西亭(ふらんすてい)
歴史ではブラジルには及ばずも1974年創業、やがて半世紀という老舗。
近年、後継者募集を発表してメディア等で話題にも。
入り口は瀟洒なレンガ造りのアーチ。
このムード、まるでフランスのビストロを思わせる。って、行ったことないけど(笑)、少なくとも東京は下町の歴史ある洋食屋のよう(これは分かる)で、風格を感じる。
以前、店はオーナー(昔は知る人ぞ知るバーテンダー、そしてステーキ屋の支配人)と、シェフ、オーナーの奥様で切り盛りしていたが、数年前にシェフが引退。その後はオーナー自らがキッチンに立ち、昔からのレシピを守っている。
上画像がランチメニュー。他、プリンなどのデザートメニューもある。
ハンバーグは時々頂いていて、その日も気軽にそれを・・・とも思ったが、午後からちょっと気合の要る仕事があったものだから、お肉!という感じで「ビーフシチュー」をオーダー。
肉を食べると元気が出ると信じている筆者であった。
あ、ハンバーグも肉か(笑)
着席するやナプキンとカトラリーがセットされる。
そう、そうなのよ。これがレストランの品格だなと、しみじみ思う。
近年の旭川はホテル(のメインダイニング)もめっきり姿を消し、こういう過ごし方をしなくなったものね。
ふわり漂う軽やかに甘酸っぱい香り。
家で作る、こってりとしたドミグラスソースの甘い香りとは違うのが意外だった。
というか、あまり知らない筆者である(笑)ので、多くは語るまい。
ソースは、香りが先に告げていた通り、ちょっと酸味が効いていて、口当たりもさらりとしている。
そんなソースで煮込まれたお肉は、とろとろ、というよりはホロホロとほぐれる感じ。そんな程よい食感とともに、口の中ではソースの香りと肉の旨味が溶け合う。ふくよかな食べ応えを堪能させて頂いた。
何より、創業から半世紀。店内の調度品はすべて、時の流れにこなれた感じがして、とにかく居心地がよい。
束の間のランチタイムだったが、とてもくつろいだように思う。
さんぱち後記
いかがでしたか。
今回の紹介は、どこも年季の入った店なので、なんとなく「懐かしい昭和な店特集」のようなイメージも否めないが(笑)、どこも古くはないことを断言させていただく。古い中にも確固としてあるのは昔から変わらない現在進行形の時の流れ。
味わってみませんか。3-8小路の顔のひとつとして、おすすめです。
美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。
・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター