※●×♬大学に秘密結社【黒薔薇】という組織が…
我々あさたんスタッフは、創刊号を発刊するにあたり、また旭川の若者はどう言う雑誌を求めているのかを、買物公園でアンケート調査をした。
いろいろな質問の中に「あなたが紹介したいサークルを教えてください」と言う項目があり、自分が参加している楽団やスポーツクラブがたくさんその名を連ねた。
そのなかに一つだけ、奇妙な答えがあった。※●×♬大学に【秘密結社・黒薔薇】と呼ばれる、不思議な組織があるというのだ。
何が不思議かと言うと、※●×♬大の何処にあるのか、どんな活動をしているのか、誰がリーダーなのか、構成員は何人いるのか、そのすべてがまったくわからないと言うのだ!
いわゆる正体不明というヤツなのだ!!
我々スタッフは、その足で※●×♬大学へ直行。
春休みではあったが、何人かの※●×♬大生に、その正体を聞いてみた。
意外な事に、知らない人が割と多く、〈ただのジョークだったのか〉と思っていたところ、ある学生が「去年の入学式の日に、掲示板にポスターが貼ってあった」と答えてくれた。
その活動について詳しく聞いてみたが、やはり「活動も構成員もわからない」と言うのである。
その情報は、すぐさま『あさたん企画会議』にかけられ、協議の結果あたさんが総力をあげて、その正体を追跡することになった。
今年も、やはり現れた!!
昨年の入学式にポスターが貼ってあったという事は、〈ひょっとして今年の入学式にも貼られるのではないか〉と考えたスタッフは、※●×♬大生Y君に協力を申し込み、入学式の当日、掲示板を見て来てもらった。
その結果… やはり出たのである!
片隅に、今年も【黒薔薇】と書かれた不気味なポスターが貼られていたのである。
2~3日後、Y君はさらに興味深い情報を持って来た。ほかの大学に通う友人たちに【黒薔薇】のポスターの話をしたところ、なんとそのポスターは、旭川◎◎・●海大学、そして旭川◆大の掲示板にも貼られていたと言うのである。
どうやら【秘密結社・黒薔薇】とは、※●×♬大学一校だけでなく、あらゆる大学の学生で構成されている組織のようだ。
【黒薔薇】ポスターを入手。その内容とは…
他校はスグに職員の手によって剥がされてしまったようだが、※●×♬大学の掲示板には、まだ残されていたらしく、Y君によって、そのポスターを手に入れる事ができた。
見ると、文字や文は不気味っぽく書かれてはいるが、どうやら手書きでコピーされていて、やはり、しみったれた大学生が作った事がわかる。
しかし【うらみはらします 駅伝言板にて…】という文から、どうやら人の恨みを本人に代わって晴らしてやると言う「仕事人」をきどったグループのようだ。
このポスターが、ただ単に誰かのイタズラなのか、本当に仕事のやり取りがあるのか、とりあえず一週間は10時、15時、20時と5時間おきにJR旭川駅の伝言板を調査することにした。
伝言板に依頼が…
伝言板の調査も4日目に入り、イタズラポスターの可能性が高いと、イタッフの間でもささやかれ始めた頃、ついに駅伝言板に、それらしき文が書かれているのを発見!
ここに書かれていた本文と、その解読法を記載すると【黒薔薇】に対しての仕事依頼が増える可能性が高いので、あえて記載をさけるが、どうやら電話番号が書かれていたようだ。
我々は、その電話番号に電話をかけて協力を依頼した。
が……
かたくなに断られ、電話を切られてしまった。従って調査はそこで行き詰ってしまった…。
活動の全貌を突き止める!!
仕方なく我々は、もう1度伝言板を見張る事にした。
今度は一週間かかった。
7日目にしてようやく発見。
しかも偶然、ある学生が記入しているところに出くわしたのである。
我々は、その学生を捕まえ、とりあえず近くの喫茶店に連れ込み、事情を説明して必死に協力を依頼した。
その結果絶対に秘密は厳守することを条件に協力を約束してくれたのである。
伝言板に記入する内容は、やはり電話番号だけであり、その日のうちか遅くても次の日の夜には【黒薔薇】の方から電話が来ると言うのだ。
詳しい依頼の内容については、その時に話す事になっているらしい。大学生にしては、なかなか手の込んだハードボイルド的な手段を用いており、かなりのいわゆる【オタッキー】という連中が集まっているのではないかと想像できる。
依頼する仕事の内容とは、やはり本人に代わって、恨みを晴らす【報復】であった。
しかも驚いたことに報酬はゼロ。
つまり、お金はとらないと言うのだ。
と言う事は、人に代わって人のイヤがる事をして困っている姿を見て喜ぶ根性の曲折した連中の集まりのようだ。
本当にオタクの集まりだったのである。
報復手段のえげつなさ…
協力してくれた学生(以下:A君)は、彼女と2人でいるところを、酔っぱらった友人(以下:B君)にバカにされ、恥をかかされたらしく、その報復を依頼するとのこと。
報復の手段は、黒薔薇側にまかせるのが約束事らしい。
本当に報復されたかの確認を得る方法はないと言う。
いい加減だが、お金も払ってないんだから仕方がない…。
我々は、その報復手段を確認するため、A君からB君の写真と住所を入手し、旭川市春光台のあるアパートの前でB君の出現を待った。
23時22分。
白いHONDAシビックがアパートの前に止まったかと思うと、車からB君が現れ自分の部屋へ入って行った。
いつ【黒薔薇】が現れるかと車の中で待っていたが、我々もやがて寝てしまい、気がついたら朝6時過ぎ…。
そして9時半頃、B君は部屋から出て、シビックに乗り込み発進させた。
向かうところは自分の大学、そこまでは何事もなかった。
しかし、13時頃、B君は彼女らしき1人の女性と共に校舎から出て来て、自分の車に乗り込んだ。
そして中から反対側のドアを開け、彼女が助手席に座った瞬間
「キャーーーーーッ、痛い!」と彼女が叫びながら車から飛び降りた。
B君もビックリして車から降りて、彼女に駆け寄り話しかけたが、彼女はものすごい形相で怒っている。
怒鳴っている声も聞こえてくる。
B君はワケがわからないといった様子。
しかし彼女は、半分泣いている様子で、怒って校舎に戻って行ってしまった。
我々もあっけにとられて見ていたが、B君の態度から、やっと事態がつかめた。
どうやら、助手席の座布団の中にガビョウが仕込まれていたらしい。
あれだけ物々しい前置きがあったうえで、このしょーもない子どものような報復手段で最初は笑ったが、①しっかりと彼女に嫌われるような手段を取っている ②依頼された次の日に実行している ③B君の車が白のシビックである事や、翌日最初に助手席に座る人間が彼女である事を知っていた
そう考えると、背スジがゾッと冷たくなったのである。
しかも、昨夜から我々が見張っていたが【黒薔薇】は姿を見せなかった。
という事は、我々が眠ってしまった数時間の間に、その作業が行なわれたと考えられる。
つまり、我々がB君を見張っていた事も彼らはわかっていたという事だ。
編集部に【黒薔薇】から手紙が!?
2日後、我が編集部の郵便受けに一通の封筒が入り込んでいた。
差出人を見てビックリ!
なんと【黒薔薇】からである。
開けてみると、その内容はまさしく脅迫状であった。
『あさたん会議』では、手を引くべきか、徹底追求すべきか議論となり、その結果こんな脅迫には屈せず、この黒薔薇なる組織を撲滅すべく、真っ向から対決する事を決定した。
[Part.2]へ つづく
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