年間300万をアイドルに費やす夫…離婚理由にはなるのか
私は専業主婦、夫は広告代理店に勤めており、年収は900万程で毎月十分な生活費をもらっています。
しかし、これまで趣味の少なかった夫がここ数年某女性アイドルにどっぷりハマってしまい、毎週のようにイベントへ足を運ぶようになりました。
そこに関しては、最初は気持ち悪いと思いましたが今はもうどうとも思いません。
しかし、つい先日夫同意のもと彼の通帳を見る機会があり、計算してみると年間300万はそのアイドルにつぎ込んでいることがわかりました。
もちろん彼の貯蓄からですし、私の生活レベルは変わっていません。
子どももいないので、今後大きな出費が待ち構えているわけでもありません。
でも、若いアイドルにそこまでつぎ込む精神が理解できず、嫌悪感を抱いてしまうのです。
正直、夫に対して好意はもうありません。
こんな理由で離婚ができないことはわかっており、私に生活力がないことも自覚しているのですぐに離婚を考えているわけではありません。
でも、この人と死ぬまで一緒には居たくないと思ってしまうんです。私に希望はありますか?(旭川市/綾子)
まずは夫と今後の資産運用について十分に話し合う事が大事
かなり極端なケースだと思います。
年収900万円ということは、税金を払ったり、厚生年金など様々な控除がありますから可処分所得は650万円ぐらいだと思います。
そのうち年間300万円を使っているとなると年間350万円で生活していることになります。
可処分所得を考慮すると、かなり過大な支出を女性アイドルのイベントなどに消費している…。
これについて相談者が理解できない・嫌悪感を抱き・好意をなくしてしまったこと自体はよくわかります。
しかし、これで離婚できるかどうかとなると、ご本人もわかっているようですが、難しいでしょう。
お子さんがいる家庭では教育資金が多額にかかるわけですが、お子さんがいないので、その分を娯楽に使っているようにも思われます。
まぁ私もゴルフに相当額を使っていますよ。
ちょっと前で言うと夫の稼いだお金で韓流アイドルにハマって韓国にまで足を運ぶなど、相当額をつぎ込んでしまう家庭の主婦も結構いました。
東京では銀座・六本木で毎週のように飲み歩く人もいれば、私みたいなゴルフもいれば、釣りもいます。
様々な娯楽は、人間の生活を基本的に豊かにしてくれるものです。働いているだけでいい、衣食住に必要なお金以外全部貯蓄して生きる。
なかなかそうは生きられないのが人間です。
趣味にお金を使う人は多いですよね。
そうなると、離婚はまず無理。相談者の「私に希望はありますか?」ですが、離婚ができる希望はあるか? という意味なら、「年間300万円は使いすぎです、せめて年間100万円ぐらいにしてください。それ以外は貯蓄に回してください」と、まず夫に申し入れをする。
「老後について様々な不安があります」と。
年間100万円といってもかなりの金額ですから、申し入れはおかしな話しではない。
単純計算で年間200万円貯蓄に回せます。
あと20年ほど働けるとすれば、単純計算で4800万円貯まることになります。
老後のために十分な資金を蓄えたうえで、将来は厚生年金などを毎月もらって安心して暮らせそうですよね。
その申し入れを拒否されたら「一緒に暮らしていく自信がありません」と言って別居します。
別居しても最低限の生活費を払ってもらいながら、自分も働いて、将来の離婚に備える。
こんな無駄遣いをする人ですから、離婚しても財産分与はほとんど取れないでしょう。
離婚の前に自身が一人になった時の事をよく考えてから
自分で働いて自分の力で生きるという決意がなければ離婚しても不幸になるばかり。
決意をもって別居して自分も働きます。
そうすると、うまくいけば2年程度別居生活を送れば、その段階では離婚が認められる確率が非常に高くなります。
婚姻関係が破綻しましたよね、原因は基本的にアイドルに入れあげた夫にあります。
奥さんにはそれ程非がない状況で、婚姻関係が破綻しちゃいましたね、となると裁判所は離婚を認めてくれることになりますから、どうしても離婚したいのでしたら、今申し上げたようにすることをお勧めします。
そうすれば、もう好きでもない夫と一緒に暮らす必要がないしね。
夫の面倒をみなくてもいいし、時間を全部自分のために使える。
その代わり働かなくてはいけませんよ。
相手の収入だけに頼って、すべてお金を出してもらう、一切働かないなんて、そんな甘い考えじゃダメです。
私は、働いていない女性から離婚の相談があった場合は、自活をして生きようという意欲がない場合には、基本的に離婚は勧めないです。
自分の力で生きようという意志がない人は、離婚をしてもその後生活できないことが多いですから。
そういう意志がないのだったら、多少つらいことは我慢してでも旦那に働かせるしかない。
そういう強い意志を持っているかどうかを確認し、それがないのなら、DVにあっているとか、多額の財産分与が見込まれるなどの特殊な事情のない限り、基本的には離婚をお勧めしないですね。
北村 晴男
弁護士(東京弁護士会)
■1956(昭和31年)年生まれ。長野県出身。
■1992(平成4)年に個人事務所を開設し、2003(平成15)年に法人化。生命保険、交通事故、医療過誤、破産管財事件、家事事件など多岐にわたる事件を処理している。
■弁護士法人 北村・加藤・佐野法律事務所代表。
■メルマガ「言いすぎか!! 弁護士北村晴男 本音を語る」(まぐまぐ!)配信中
出典:asatan
asatan公式アカウントです。
旭川とその周辺地域に関連するイベント、グルメ、観光、くらしに役立つ情報などなど、ドシドシご紹介しますのでお楽しみに!