煮干し! 中華そば富いち
続々と味の創作を繰り広げファンを飽きさせない富いち。
ラーメンの出汁に煮干しというのはよくあることだが、同店には、これにこだわり抜いた逸品がある。
極太煮干し(800円)
その名も「極太煮干し」。
断っておくが、極太の煮干しが具になっているという話ではない。太いのは麺の方なので悪しからず。
目前のラーメンにちょっと顔を近づけただけで、ほわほわと漂うのが分かる芳醇な煮干しの香り。
うんうん、良い煮干しを使っておるな(と分かったふりして)、まずはおつゆをひと口。
おっと、その前に。
画像、右上にあるのは煮干し酢。文字通り煮干しを浸けた酢であるが、これは、食べ進む過程で足すなりして「味変」を楽しんで、と提供されるもの。
同店のラーメンは概ね煮干しの香味が特徴的なのだが、それをさらに増し増しにしたのが「極太煮干し」だ。
素人が家庭で煮干しを、それも風味を効かせようと悪戯に多用すると、不快な酸味が出たりするものだが、そこはさすがの料理人。出汁は確かに濃厚だが、風味、口当たりは実にまろやか。
そして、その濃厚スープを迎え撃つのが、極太麺だ。
ふ、太い・・・! 確かに極太。
通常メニューの倍はあろうかという太さにも見える。
太麺というとバキバキと硬そうなイメージもあるが、さにあらず。歯応え柔らかにしてなめらかなのど越しだ。
なるほど、濃厚な煮干しの香味には、食べ応えあるこの極太麺の豊かな素材感が好相性なのかと拝察した次第。
締めのデザート代わりに小ライス(笑)というのが同店における筆者のこだわり。
煮干しの佃煮(サービス品)をおかずに、そして前述の煮干し酢を足したスープ(これまた旨い!)をおつゆ代わりに楽しむゴハンは格別である。
お店情報
店名:中華そば 富いち
住所:旭川市新富2条1丁目14-15
電話番号:0166-76-6114
営業時間:11:00~21:00
定休日:火曜
駐車場:あり
エビ! らーめん蔵
メニューも個性的な豊岡の人気店。
同店の魚介はエビだ。
レギュラーメニューに、マスターおすすめの「えびしおラーメン」というのがあって、これが旨いのであるが、先日、筆者もフォロー中の同店のインスタで「えびみそら~めん期間限定発売」と告知があったので、今回はこれを紹介したい。
えびみそら~めん(1,000円)
※期間限定
えびの唐揚げが添えられていて香ばしい。
しょっぱなから、えびアピールとは、食欲を嬉しく刺激してくれる。
もともと濃厚食感な同店の味噌スープであるが、これにえびの旨味が加わって「めっちゃマイルド!」というのが率直な感想。
その旨味の正体は、冒頭で述べた唐揚げではない。スープには別途、えびから摂った出汁がたっぷりと溶け込んでいる。
ちなみに、商品POPによれば、材料として使われているえびは、増毛産・羽幌産の甘えびとのこと。旨さにますます納得、である。
お店情報
店名:らーめん 蔵
住所:旭川市豊岡5条2丁目
電話:0166-32-2345
営業:9:00~21:00
定休:不定休
駐車場:あり
あさり! らーめん和
さてさて、ラストは「らーめん和(かず)」であるが、同店は海鮮にかなり力を入れているものと拝察する。
まず、上の画像。風になびくのぼり旗には「海老」。
そしてスタンド看板には「あさり」。
なぜか糠漬けカレイも売っている。ホッケや鰊はよくあるが、糠カレイって珍しいかも。
あさりののぼり旗まで立っている。
同店のあさり愛は相当なものだ。
で、あさり好きの筆者は、なびく旗のように心もなびく。
というわけで、あさりラーメンを注文。
あさりラーメン(950円)
水菜が斬新である。
あさりは剥き身と貝付きの両方が載っているのは意外というか、さすがという感じ。
注目すべきは塩味スープのにごり方。これって、別途火を通した貝付きあさりをトッピングしているのではなく、スープで貝を煮ているようだ。
てことは、きっと・・・・
スープはあさりの出汁が濃厚だ。
その風味に、思わずため息が漏れる。二日酔いの時にこれを食べると、より染みるんだろうな。
さらに驚くべきは、あさりの量だ。
まず、見た目に(スープの上に)これだけのあさりがある。
でも、この他にも・・・
食べても食べても出てくるあさり(笑)
もう、これでもか!という量だ。個数にするといくつあるんだろう。
食べ進み、そして完ツユ間近。まだ出てくるあさり。
いやはや、これぞあさりラーメン。いや、ここまでやるからあさりラーメン。他の追随を許さないあさり食べ方だぶりには、只々感服するのだった。
■お店情報
店名:らーめん和
住所:旭川市神楽岡6条6丁目6-1
電話:0166-65-8080
営業:11:00~15:00/土・日~20:00
定休:火曜日
駐車場:あり
食べ歩き後記
いかがでしたか。
期間限定につき現在は販売されていませんが、昨年は某店で「きつねいわし」(煮干し風味、お揚げが載っている)なんてラーメンも食べました。
まさに計り知れぬラーメンのポテンシャル。この先、どんな魚介系ラーメンが飛び出すか、楽しみですね。
面白いエピソードがあったら、また掲載したいと思います。
美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。
・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター