放哉の「おろしたぬき」
ところは6条通りと昭和通りの角にあるビル。
まちなかの、蕎麦好きにはよく知られた人気店だ。
以前は昭和通側に玄関があったのだが、いつの間にかカフェになっていて、ありゃ?閉店したのかと思っていたら、6条通り側に玄関を発見。ほっとしたよ。
そうそう、ここは昔、ノムラビルと言ったけど、今はエクセルA1ビルと名称が変わった。ご注意を。
おろしたぬきそば(780円)
この店は面白いんだ。そば(麺)は、田舎そば・更科そば・田舎十割から選べるというシステム(※田舎十割は土曜限定)。そば好きも好みがいろいろだからね。
今回、自分は全て賞味している中から、田舎そばをチョイス。風味がたぬきに合いそうかな、と。
たぬき(天かす)とおろし。これにネギと海苔が添えられて、風味が良さそう。
どことなく清涼感も漂っていて、見た目に美しいそばだ。
田舎そばは、コシの程よい太麺。歯触り、のど越しも良く、我が食欲を十分に満足させる。
これを、天かすとおろしのそれぞれが、競うように寄り添って、田舎そばの味わいを膨らませてくれる。
うんうん、田舎そばにして正解かな。相性がとても良い。
天かすは、初め、ちょっと少な目とも感じたが、香ばしく揚がっていて、存在感を十分に発揮していた。盛り付け絶妙、ですな。
お店情報
店名:じゃずそば放哉
住所:旭川市6条通7丁目エクセルA1ビル1F
電話番号:0166-85-6911
営業時間:11:30~15:00
定休日:日曜、祝日
駐車場:なし
そば源の「山菜おろし」
お次は人気のそば源「神居店」から、おろしそばの定番「山菜おろし」をご紹介。
多くの店がこれを出し、筆者もしばしば頂くが、中でも同店のが「それっぽい」ので、ご登場と相成った次第。
山菜おろしそば(850円)
山菜とおろしで描く、見事なまでの日の丸構図。むしろ潔いと言えるね。
山菜水煮がた~っぷり。山菜おろしが食べたいんだもの、やはりこうでなくっちゃね。
ちなみに筆者がこれを食べたくなるのは、飲み疲れているか、食が乱れているとき。山菜が、身体を整えてくれる(と信じている)からだ。
つゆをたっぷりかけて、すべてをまぜまぜして、もりもりと食うべし。
おろしと山菜が交われば、清涼感この上ない。
これに、そば源ならではの素朴なそばがよく合うんだ。
食べるほどに身体が癒され、食欲がいっそう増してくる。山菜のそばは、そんな旨さに満ちている。
お店情報
店名:そば源 神居店
住所:旭川市神居3条21丁目
電話:0166-63-5166
営業時間:11:00~15:00、17:00~20:00
定休日:第2・4火曜日、第3・5水曜日
駐車場:あり
そば菊の「牛おろし」
お次は、さっぱりしたおろしそばから打って変わって、ちょっとこってりしたおろしそばを。
個性的なメニューの多い「そば菊」。何やら興味深いおろしそばを見つけましたよ。
牛おろしそば(930円)
牛おろしというくらいだから、牛肉とおろし。これに豆苗が添えられている。
肉は何でしょ? つゆが添えられてるから、しゃぶしゃぶのような感じで味わうってことかな。
ちょいとつまんで味見してみれば、いや、これは牛の「しぐれ煮」でしょうか。
しぐれ煮は牛肉を醤油と生姜で甘辛く煮付けたものだが、これで蕎麦を食べるというのはお初である。
どれどれ、どんなお味かな。
そばとともに頬張ってみれば、口の中では、どちらかといえば肉の強い香味が中心で、そばの風味がそれに溶け込もうとしている。
その潤滑剤として、おろしがやんわりと馴染んでいく、という演出だ。
おろしの技アリ!もあって、なかなかにイケますね。
牛はちょっと味が濃いめなので、つけつゆはちょっとで十分。
つゆで食べるというより、しぐれ煮の味で食べるという趣向なのかもしれない。
面白い。さすが、そば菊。
お店情報
店名:味の店 そば菊
住所:旭川市永山3条9丁目
電話:0166-47-0972
営業時間:11:00〜14:30、17:00〜20:00
定休日:日曜日 火曜・水曜の夜
駐車場:あり
食べ歩き後記
いかがでしたか。今回で4作目(12杯め)となる、おろしそばの世界。
おろしは何かと組み合わせることで、味わいがより豊かになるということをお伝えできたかと思います。
それにしても、おろしそばってホントに沢山の種類がありますね(と筆者も正直驚いている)。
皆さんも、食べ比べてみてはいかがでしょうか。
前作は下記からご覧ください。
美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。
・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター