ありがとう【キハ183系】最後の思い出にグリーン車を初体験

ありがとう【キハ183系】最後の思い出にグリーン車を初体験

JR北海道が昨夏、特急型気動車「キハ183系」の定期運行を2023年3月17日をもって終了すると発表。旭川とも縁の深い車両で、これを惜しむ鉄道ファンは多い。筆者もそのひとりで、勿論、黙ってはいられない。


キハ183系とは

運行開始は1986年(昭和61年)と、北海道内で現役最古参。JRの前身、国鉄時代に生まれた、通称「国鉄型」車両のひとつとしてファンは多い。

過去には「おおぞら」(札幌~釧路)、「とかち」(札幌~帯広)、「サロベツ」(札幌~稚内)、「北斗」(札幌~函館)など、主要都市間の旅客を担っおり、現在は、石北本線の「オホーツク」(札幌ー網走)、「大雪」(旭川ー網走)で運用されている。

上の2枚は、ごく最近に撮った特急大雪。
いつ撮っても、この車両が好きであることに変わりないが、キハ183系は北国の特急列車らしく、やはり雪景色がよく似合う。
雪を舞い上げ進む姿は実に勇壮で、何より力強い。

ところで、キハ183系は、先頭の青い塗装がお馴染みであるが、昨年より、下のようなカラーの車両がたまに走っている。

これは「キハ183系復刻塗装車両」といって、昨年、石北本線が全通90周年を迎えたことを記念し、運用中のキハ183系のうち、1編成の1号車と2号車(グリーン車)に昭和61年デビュー当時のカラーを施したもの。
ゴールデンウイークのお披露目だったが、その後も1号車、2号車の各々が特急オホーツクと大雪の編成に組み込まれ運用されている。いつ、どこで見られるかの情報は非公開。

下画像は2号車(左から2両目)の復刻塗装になっているもの。たまたま鉄橋で狙ったキハ183系に組み込まれていた。

憧れのハイデッカーグリーンに乗ってみた

特急「オホーツク」や「大雪」は、北見市への出張などで利用したことはある。
ある年の冬、たしか遠軽に向かう途中、シカと衝突したとかで車両点検のため雪原の中で数十分に渡り停車という目に遭い、おいおい、プレゼンの時間に間に合うのかとひやひやした思い出も(笑)。

そんな中、キハ183系のグリーン車両に対しては、特に憧れがあった。
車両を見かけるたびに「死ぬ前に一度はあのグリーンに乗ってみたいものだ」と。

下画像、矢印が向いている車両がそれだ。

他の車両と窓と何となく様子が違うのをお分かりいただけたろうか。
これはハイデッカーグリーン車といって、「オホーツク」と「大雪」の大きな特徴にしてアピールされるべき部分だ。

ハイデッカーとは、床を高くして車窓からの眺めをより良くした車両構造のこと。キハ183系のそれを見れば、ほかと違うこと一目瞭然。ちなみに窓がずいぶん上についた背の高い観光バスを目にしたことがあると思うが、そう、そのイメージ。

なんかゴージャスじゃないですか。憧れますよ。
だが、この列車が退役すると、その憧れも、憧れだけで終わってしまう。

ということで、いざ、乗り鉄「グリーン車編」の敢行と相成った。
行程は旭川ー上川。1時間足らずの超ショートトリップだ。

2月某日。上画像は旭川駅のホームの、筆者が乗り込む「大雪」だ。1号車。その後ろが2号車「グリーン専用車両」となる。

それはそうと、車体に近づけば分かる、老朽化の何と痛々しいことか。

グリーン車を示す四つ葉のマークがお出迎え(かなりウキウキ)。

しかも!!

おおっ、「キハ183系復刻塗装車両」ではないか。
これに乗れるとは何たる奇跡。ついてるぞ。
※中は同じだけど(笑)

いざ、乗車。

うわ〜、これだよこれ。3列シート。
おおっ、椅子がでかい(シートと言いなさい)。しかも一人掛け。知らないヒトと一緒にならずに済む、ヒトが苦手な筆者にぴったりだ(これを予約する方がすべてヒトが苦手というわけではありません)。

もっと細部をバシバシ撮りたかったのだが、筆者の到着が遅れ、すでにお客様がいらしたので遠慮した(この辺、筆者の詰めが甘いとこだな)。

「キロ」はグリーン車両の証。

何はともあれビールでしょ。
キヨスクで買ったクラシックで、旅人のふりをする(なんで?)。

昔は特急列車には車内販売があったんだけどね。

おおっ、肘掛けにドリンクホルダーがあるじゃないか。映画館みたい、と、とりあえず使ってみる筆者。すでに、お上りさん気分全開である。

ゆったりと大きなシート。ハイクラスのマッサージ機のような体をつつむホールド感があり、座り心地は実に良い。クッションがぶかぶかしてなくて、この疲れの来ない低反発な感じは、そうだ、JALのクラスJに似ている。

ちなみに、頭がよっかかるやつ(ヘッドレストと言いなさい)は可動式(乗客の体の大きさに合わせて高さを変えられる)。
とにかく居心地は満点。これ、家にあったら絶対に楽しいだろうな。映画とか観るのによさそう。

また、慣れたふりして足のやつ(フッドレストと言う)を使おうとするが、よく分からなくてガサゴソする筆者(笑)。
新幹線のグリーンや在来特急のグリーン(筆者が乗ってるやつね)の足のやつは、床と同じ柄だったら靴をはいたまま足をのっけてかまわない。展開して(ひっくり返して)違う柄になっていたら靴を脱いで足をのせるべしとのこと。※実はあとで調べた(笑)

それと、筆者は必要としなかったので使わなかったが、パソコンなどに使えるコンセントもどこかにあるそう。

あたふたしてないで、せっかくのハイデッカーなんだから車窓からの景色も楽しまなきゃと、なんとか撮ったうちの1枚。
愛別を過ぎたあたりだったろうか。上川まではとにかく川が多い(鉄橋が多い)ような気がする。

そうこうしているうちに、列車は上川に到着。

降車し、行く列車を見送る。
束の間だったが、列車はいいな。旅気分になれるもの。
あるいは、どこに行っても旅人気分になれる筆者は得だなと、自分で思う。

やっぱり、ここにも撮り鉄が(モザイクがそう)。3月も中旬になるともっと凄いんだろうな。

ひとまず、安着祝いということで、まちの食堂でビール&食事。
ラーメンのまち上川であるからして、もちろんラーメンもいただくことに。
けっこう旨かったそれ、別な機会で紹介します。

で、駅前をぶらぶら。

もし、夜に来たなら絶対に行ってみたいお店を発見。
どこの町にも、こんな感じの飲食店ってあるよね。

いわゆる、駅前商店街な町並み。
雪は多いなりに、それでも除雪が整っているようで(たまたまかどうかは分からないが)、よい町ですね。

酒屋さんの店先。
さすがの地酒、上川大雪酒造ブランドがずらり。
地酒のあるべき姿を垣間見た気がする。

そうそう、ここは彼女の出身地。
以前ほどじゃないけれど、まちなかでもこの旗がちらほらと。
これぞ上川ならではの風景。

帰りは、せっかくだから石北本線をのんびりと、H100形で各駅停車。グリーン代が惜しいわけじゃない(ホントか?)。

H100形といえば、今年度、石北本線を走るキハ40形と大幅入れ替えとなった車両。

キハ40形は、キハ183系と同様、昭和からある国鉄型で筆者がこよなく愛する車両だ。
旭川市内を走る姿もめっきりと少なくなり、キハ40ラブな筆者にはこのH100形は正直、ちょっと恨めしい存在。
そんなことを思うH100形の車内は、まだ真新しく、悔しいが快適なのだった。

ラストランのイベントも

3月17日で定期運行を終了するが、JRではその後にラストランを企画している模様。
当記事の石北本線だけでなくキハ183系と縁のある函館本線、宗谷本線で「北斗」「ニセコ号」「サロベツ」「オホーツク」としてラストラン運転を実施するようだ。
オホーツクはなんと5両編成で全席指定、そのうち3両がグリーン車という超豪華編成だ。
う〜ん、なんと魅力的な。心が揺れる。

詳しくはJR北海道へ。

この記事のキュレーター

美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。

・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター

関連するキーワード


電車

関連する投稿


【愛別町】石北本線「愛山駅」が3月16日に廃駅に 3月15日のお別れイベントに行きませんか?

【愛別町】石北本線「愛山駅」が3月16日に廃駅に 3月15日のお別れイベントに行きませんか?

石北本線で旭川駅から10個目の駅【愛別町】にある【愛山駅】が3月16日に廃駅になることが決定し、3月15日の最後の日にお別れイベントが開かれるそうです。【愛別町】で発見された「北海道石」や「愛別町グルメ」のご紹介もします。


冬道もラクラク!旭川から札幌駅まで公共交通機関でGO!~JR編~

冬道もラクラク!旭川から札幌駅まで公共交通機関でGO!~JR編~

旭川から札幌駅周辺に遊びに行くなら、冬の降雪時期は安心ラクチンな公共交通機関「高速バス」や「JR」がおススメ!そこで2つの利用方法とおススメ情報をお伝えします。今回は~JR編~。お得な切符や旭川駅周辺の駐車場情報をご紹介します。


フラノラベンダーエクスプレスが期間限定で旭川駅まで延長運行

フラノラベンダーエクスプレスが期間限定で旭川駅まで延長運行

フラノラベンダーエクスプレスは通常は札幌~滝川駅(根室線)経由~富良野線で運行していますが、7月限定で富良野~旭川間を『臨時列車』として運行します!


【旭川発】乗り鉄&まちグルメ日帰り旅「上川編」~きっぷ半額の情報も

【旭川発】乗り鉄&まちグルメ日帰り旅「上川編」~きっぷ半額の情報も

筆者の「日帰り乗り鉄」記。今回のミッションは、石北線で運用が始まったキハ283系への初搭乗と絶滅危惧車両キハ40型への搭乗、そして上川町のまちグルメ「ラーメン」となっている。また、今回は切符が半額になる旭川市の助成金も活用した。さてさて、ある春の日の顛末やいかに。


駅舎に花柄!?【駅鉄】旭川最東端「JR桜岡駅」を訪ねる

駅舎に花柄!?【駅鉄】旭川最東端「JR桜岡駅」を訪ねる

何とも風流な名前の駅があるのものですね。調べてみればその歴史は100年に及ぶ。が、駅舎は意外に新しく、かつポップな見映え。そんな桜岡駅をレポートします。ちょっと秘境感漂うも周囲には観光施設も案外使える駅かも知れませんよ。


最新の投稿


【旭川市】超お得なラインクーポンが配信されるお店

【旭川市】超お得なラインクーポンが配信されるお店

最近各店ラインを使ったクーポンの配信をよく行っていますよね。今回はお得なクーポンを配信する旭川市内のお店を3つご紹介します。


旭川から子連れで【札幌市】夏休みにもおすすめドライブ

旭川から子連れで【札幌市】夏休みにもおすすめドライブ

旭川から高速道路を利用して札幌市へ。 道中はスマホスタンプラリーをして、 高速道路でしかゲットできないスタンプをゲットしながら行ってきました。


【札幌観光】No.3誰もが知る札幌の名所を巡る旅!【札幌市】

【札幌観光】No.3誰もが知る札幌の名所を巡る旅!【札幌市】

旭川市民ならずとも、日本中!いや世界的にも有名な札幌の名所。 そんな場所がたくさんある! そこで、道民が行ってそうで行ってないであろう、有名な名所をご紹介!


【2024年8月】星座別タロット占い

【2024年8月】星座別タロット占い

2024年8月の運勢を星座別にタロットで占ってみました。ぜひ、参考にしてみてくださいね♪


【東京都】旭川市から東京へ旅行~飲食店・サウナ 2選~

【東京都】旭川市から東京へ旅行~飲食店・サウナ 2選~

今回は、旭川市から東京へ旅行ということで、東京都の飲食店、サウナ施設をご紹介します。1店舗目は、飲食店「恵比寿 土鍋炊ごはん なかよし 本店」、2店舗目は、サウナ施設「Smart Stay SHIZUKU 品川大井町」です。恵比寿 土鍋炊ごはん なかよし 本店は、和の雰囲気を感じる店内で、美味しい土鍋炊きご飯を楽しめるお店です。また、Smart Stay SHIZUKU 品川大井町は、ショートステイで大浴場とサウナが日帰りで楽しめました。ではさっそくご紹介していきましょう!


コープ
旭川を盛り上げよう!キュレーター募集!
カラダ
新店
不動産
本郷美術骨董館'
LINE募集'

人気ランキング


>>総合人気ランキング
a不動産
イズミ
旭川ホテルガイド
旭川を盛り上げよう!キュレーター募集!