キハ183系とは
運行開始は1986年(昭和61年)と、北海道内で現役最古参。JRの前身、国鉄時代に生まれた、通称「国鉄型」車両のひとつとしてファンは多い。
過去には「おおぞら」(札幌~釧路)、「とかち」(札幌~帯広)、「サロベツ」(札幌~稚内)、「北斗」(札幌~函館)など、主要都市間の旅客を担っおり、現在は、石北本線の「オホーツク」(札幌ー網走)、「大雪」(旭川ー網走)で運用されている。
上の2枚は、ごく最近に撮った特急大雪。
いつ撮っても、この車両が好きであることに変わりないが、キハ183系は北国の特急列車らしく、やはり雪景色がよく似合う。
雪を舞い上げ進む姿は実に勇壮で、何より力強い。
ところで、キハ183系は、先頭の青い塗装がお馴染みであるが、昨年より、下のようなカラーの車両がたまに走っている。
これは「キハ183系復刻塗装車両」といって、昨年、石北本線が全通90周年を迎えたことを記念し、運用中のキハ183系のうち、1編成の1号車と2号車(グリーン車)に昭和61年デビュー当時のカラーを施したもの。
ゴールデンウイークのお披露目だったが、その後も1号車、2号車の各々が特急オホーツクと大雪の編成に組み込まれ運用されている。いつ、どこで見られるかの情報は非公開。
下画像は2号車(左から2両目)の復刻塗装になっているもの。たまたま鉄橋で狙ったキハ183系に組み込まれていた。
憧れのハイデッカーグリーンに乗ってみた
特急「オホーツク」や「大雪」は、北見市への出張などで利用したことはある。
ある年の冬、たしか遠軽に向かう途中、シカと衝突したとかで車両点検のため雪原の中で数十分に渡り停車という目に遭い、おいおい、プレゼンの時間に間に合うのかとひやひやした思い出も(笑)。
そんな中、キハ183系のグリーン車両に対しては、特に憧れがあった。
車両を見かけるたびに「死ぬ前に一度はあのグリーンに乗ってみたいものだ」と。
下画像、矢印が向いている車両がそれだ。
他の車両と窓と何となく様子が違うのをお分かりいただけたろうか。
これはハイデッカーグリーン車といって、「オホーツク」と「大雪」の大きな特徴にしてアピールされるべき部分だ。
ハイデッカーとは、床を高くして車窓からの眺めをより良くした車両構造のこと。キハ183系のそれを見れば、ほかと違うこと一目瞭然。ちなみに窓がずいぶん上についた背の高い観光バスを目にしたことがあると思うが、そう、そのイメージ。
なんかゴージャスじゃないですか。憧れますよ。
だが、この列車が退役すると、その憧れも、憧れだけで終わってしまう。
ということで、いざ、乗り鉄「グリーン車編」の敢行と相成った。
行程は旭川ー上川。1時間足らずの超ショートトリップだ。
2月某日。上画像は旭川駅のホームの、筆者が乗り込む「大雪」だ。1号車。その後ろが2号車「グリーン専用車両」となる。
それはそうと、車体に近づけば分かる、老朽化の何と痛々しいことか。
グリーン車を示す四つ葉のマークがお出迎え(かなりウキウキ)。
しかも!!
おおっ、「キハ183系復刻塗装車両」ではないか。
これに乗れるとは何たる奇跡。ついてるぞ。
※中は同じだけど(笑)
いざ、乗車。
うわ〜、これだよこれ。3列シート。
おおっ、椅子がでかい(シートと言いなさい)。しかも一人掛け。知らないヒトと一緒にならずに済む、ヒトが苦手な筆者にぴったりだ(これを予約する方がすべてヒトが苦手というわけではありません)。
もっと細部をバシバシ撮りたかったのだが、筆者の到着が遅れ、すでにお客様がいらしたので遠慮した(この辺、筆者の詰めが甘いとこだな)。
「キロ」はグリーン車両の証。
何はともあれビールでしょ。
キヨスクで買ったクラシックで、旅人のふりをする(なんで?)。
昔は特急列車には車内販売があったんだけどね。
おおっ、肘掛けにドリンクホルダーがあるじゃないか。映画館みたい、と、とりあえず使ってみる筆者。すでに、お上りさん気分全開である。
ゆったりと大きなシート。ハイクラスのマッサージ機のような体をつつむホールド感があり、座り心地は実に良い。クッションがぶかぶかしてなくて、この疲れの来ない低反発な感じは、そうだ、JALのクラスJに似ている。
ちなみに、頭がよっかかるやつ(ヘッドレストと言いなさい)は可動式(乗客の体の大きさに合わせて高さを変えられる)。
とにかく居心地は満点。これ、家にあったら絶対に楽しいだろうな。映画とか観るのによさそう。
また、慣れたふりして足のやつ(フッドレストと言う)を使おうとするが、よく分からなくてガサゴソする筆者(笑)。
新幹線のグリーンや在来特急のグリーン(筆者が乗ってるやつね)の足のやつは、床と同じ柄だったら靴をはいたまま足をのっけてかまわない。展開して(ひっくり返して)違う柄になっていたら靴を脱いで足をのせるべしとのこと。※実はあとで調べた(笑)
それと、筆者は必要としなかったので使わなかったが、パソコンなどに使えるコンセントもどこかにあるそう。
あたふたしてないで、せっかくのハイデッカーなんだから車窓からの景色も楽しまなきゃと、なんとか撮ったうちの1枚。
愛別を過ぎたあたりだったろうか。上川まではとにかく川が多い(鉄橋が多い)ような気がする。
そうこうしているうちに、列車は上川に到着。
降車し、行く列車を見送る。
束の間だったが、列車はいいな。旅気分になれるもの。
あるいは、どこに行っても旅人気分になれる筆者は得だなと、自分で思う。
やっぱり、ここにも撮り鉄が(モザイクがそう)。3月も中旬になるともっと凄いんだろうな。
ひとまず、安着祝いということで、まちの食堂でビール&食事。
ラーメンのまち上川であるからして、もちろんラーメンもいただくことに。
けっこう旨かったそれ、別な機会で紹介します。
で、駅前をぶらぶら。
もし、夜に来たなら絶対に行ってみたいお店を発見。
どこの町にも、こんな感じの飲食店ってあるよね。
いわゆる、駅前商店街な町並み。
雪は多いなりに、それでも除雪が整っているようで(たまたまかどうかは分からないが)、よい町ですね。
酒屋さんの店先。
さすがの地酒、上川大雪酒造ブランドがずらり。
地酒のあるべき姿を垣間見た気がする。
そうそう、ここは彼女の出身地。
以前ほどじゃないけれど、まちなかでもこの旗がちらほらと。
これぞ上川ならではの風景。
帰りは、せっかくだから石北本線をのんびりと、H100形で各駅停車。グリーン代が惜しいわけじゃない(ホントか?)。
H100形といえば、今年度、石北本線を走るキハ40形と大幅入れ替えとなった車両。
キハ40形は、キハ183系と同様、昭和からある国鉄型で筆者がこよなく愛する車両だ。
旭川市内を走る姿もめっきりと少なくなり、キハ40ラブな筆者にはこのH100形は正直、ちょっと恨めしい存在。
そんなことを思うH100形の車内は、まだ真新しく、悔しいが快適なのだった。
ラストランのイベントも
3月17日で定期運行を終了するが、JRではその後にラストランを企画している模様。
当記事の石北本線だけでなくキハ183系と縁のある函館本線、宗谷本線で「北斗」「ニセコ号」「サロベツ」「オホーツク」としてラストラン運転を実施するようだ。
オホーツクはなんと5両編成で全席指定、そのうち3両がグリーン車という超豪華編成だ。
う〜ん、なんと魅力的な。心が揺れる。
詳しくはJR北海道へ。
美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。
・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター