いざ上川へ!! 乗り込むはキハ283系
札幌と網走(または旭川と網走)を結ぶ特急車両として運用されていた国鉄型気動車「キハ183系」がこの春引退。これに代わったのが「キハ283系」だ。
実は、新車両というワケではない。1997年(平成9年)から根室本線の特急「スーパーおおぞら」として運用されていたものが昨年3月のダイヤ改正で定期特急運用を終了。そのまま引退かとささやかれていたものが、今年度より石北本線への転用となった次第。
JR旭川駅
乗り込むのは12:41 旭川発・網走行き「特急大雪」だ。
初めて聴くキハ283系のディーゼル音。かつてここに居たキハ183系のそれよりもいささか緻密で高回転を思わせる響きがするように思う。
が、うるさいのはどっちも同じかな(笑)
屋根のかかったホーム内では、余計に音が響くしね。
外装の特徴にちょっとふれると、先頭車の運転席には、石北線での停車駅が所在する7自治体(旭川市・上川町・遠軽町・北見市・美幌町・大空町・網走市)のそれぞれの名所等をイメージしたラッピングが施されている。
自分が乗る列車に、何が描かれているかは、その日のお楽しみとなっている、とか。
おおっ、何の因果か今回の目的地、上川町のデザインではないか。
こりゃ幸先が良いぞ、ということになるのかどうなのか、一応ウレシイことにしておこう。
車両前面にある列車名のLED表示は「大雪」と「TAISETSU」の文字が交互に入れ替わるようになっている。
よーし、両方撮ってやれとカメラで狙うと、わずか数秒で切り替わった。
筆者が乗った普通車指定席(ちなみにグリーンはない)。上下可動式枕を備えたリクライニングシートが装備。
座席に着いたら、まずはこの儀式。
酒とツマミを並べて「旅情緒」を味わうべし(笑)
季節限定のビールが、いい絵になってる。
テーブルや何かをぶら下げるフックやら、特急としては並みの装備。
あ、ネットの側にはドリンクホルダーがあるのね。
・・・と、お初の車両なので、とりあえず何でもいじってみる(子供か)我らなのであった。
到着!! 上川のまちグルメを堪能せよ
列車は小一時間で上川駅(上川町)に無事到着。
時は週末。銀行をはじめ商店の多くが休業してるので、街はとても静かだ。
が、駅前では数軒の飲食店が元気。ラーメンの旗をなびかせている。さすがラーメンのまち。
小さな町にはよくある、夜には宴会もできますよ的な食堂というか料理屋というか。
ラーメンを出していそうだな。よし、今日はここに決めた。
丼ものや定食類もあるようだが、やっぱ目的はラーメン。
ウレシイことに辛みそあるじゃないか(お前ほんとに辛みそすきだねと独り言の筆者)。同行の者は醤油ラーメンを。
辛い系の油で味わいを調えた、キリッとした辛みそラーメン。
上川町では他でも辛みそを頂いているが、なんとなくタイプが似ている。
麺はちょっと色の白っぽい、中太ちぢれ。これが上川町ラーメンの基準のひとつと聞いているが、うん、丁寧に作ってあって、旨いっす。
で、せっかく来たんだからゆっくり過ごそうと、「どこか(酒が)飲める店はないですか」とお店の方に尋ねる我ら。
これも旅の楽しみ方だ。
で、仕入れた情報に従い、先の店からほんの数分のところにある店へ。
店名はMACHI GAINE!
・・・? マチガイネ? 間違いね?
? ? ?
何の店?というと看板的にはホットドッグの店ということなのだが・・・
説明が長くなるので、以降の画像等を見ればよく分かるということで、話を進めよう。
撮らせてとお願いした1カット。
店内中こんな雰囲気だ。
うっ場違いなところに来てしまったかと一瞬思うも、これも旅の面白さだ。
が、なつかしキャラクターグッズとか、昭和育ちには居心地は悪くない。
ビールを飲みながら、店のご夫婦と歓談すれば、ご主人は地域おこし協力隊として赴任したのをきっかけに、この町に住みついたとか。
さる飲食店(和食だったかな)の店主が高齢を理由に店を閉めるということになったのを機に、店舗を引き継ぎ、自分なりに作り上げたのがこの店とのこと。
店名の「MACHI GAINE!」は、「町がいいね」をもじったようでもある。
で、メニューはもちろんホットドッグ多数。
ほかにピザやら、ちょっと居酒屋っぽいメニューまでけっこう飲めそう(筆者目線)。
ご主人は名古屋にいたこともあり、それっぽい料理もある。
まずはツマミにと注文したソーセージの揚げ餃子。
スイートチリを着けて食べるという趣向だが、これが思いのほか旨し。
餃子も旨いが、グラスが森永マミーというのがいかしてる(笑)
聞けばこの店、ソーセージもパンも手作りだとか。
仕入先がないので自分で調達しないととご主人は笑って言うが、そのこだわりは見上げたもの。
ならば、おひとつ頂いてみましょうかね。
ホットドッグ。
ツマミにするから4つに切ってねとお願いしたおかげでカタチが崩れたか、上手に撮れなくてお店には誠に申し訳ないのだが、コレ、実に旨かった。
ちょっとこってりな味付けもよく、何しろソーセージもパンも上出来だ。
ランチにも、また、夜もじっくり楽しめそうな店。こりゃヒトに知らせる価値ありと、ここで紹介させていただいた次第。
帰りの列車はキハ40形まつり!?
いい店だったねと、すっかり旅気分満喫状態の我らである。
さて、帰り道。ホームには遠軽発、旭川行きの列車が待っているはず。
車両は筆者がこよなく愛すキハ40形だ。
一昨年までは旭川ー上川を走る普通列車は概ねキハ40形だったが、昨年から新型のH100系に置き換えられている。
その中にあって、キハ40形に乗れるとは、この便にして良かった。
なんと!? 首都圏色塗装じゃないか。これに乗れるとは何という幸運!
しかも3両編成(普段は2両編成)!?。何かの都合で増結しているのだろうが、いちいち興奮する筆者である。
しかし、通常の車両とは変わらない内装に、ふっと冷静に(笑)。
あとは、キハ40形のディーゼル音を楽しみながら、のんびりと過ごしましょうかね。
16:06 上川発
旭川までは1時間と少々。着いたら安着祝いだ(まだ飲むか)。
きっぷ半額、旭川市鉄道利用促進事業とは
冒頭で記した、切符が半額になるその理由を説明しよう。
これは「旭川市鉄道利用促進事業」によるもので、JR富良野線・宗谷線・石北線の2人以上での利用に、旭川市がきっぷ代の半額(上限あり)を助成するという内容だ。
対象となるのは『普通乗車券』『在来線特急券』『自由席往復割引きっぷ(Sきっぷ)』『フリー乗車券(道北一日散歩きっぷ)』など。
利用目的は主に観光、帰省、学生の部活動等に限られ(通勤・通学・出張はダメ)、助成金を受給するためには対象地の観光施設、飲食店、宿泊施設などを利用した証としてそれらの領収証の提出が前提となっている。
筆者宛てに届いた、助成金の交付を知らせる通知
ひとりアタマ1,870円。おかげで食費の足しには十分。ごちそうさまでした(笑)という気分である。
これ、近距離なのでこんな金額だが、もしも稚内だったらどうなるか。
特急の自由席往復割引きっぷ(Sきっぷ)10,830円に対し、5,000円(助成の限度額)が助成される。きっぷ代がひとり5,000円浮くって、これ、かなりお得ではないか。旅するお方にはおすすめだ。
※同事業は年度内であっても予算がなくなると終了する
※記した運賃はR5年4月現在
※JR富良野線、宗谷線、石北線のいずれかの沿線自治体に居住し、本市の観光等を目的とする方が対象です。居住していない方でも居住者と同行することで助成をうけることが可能です。
詳細は旭川市都市計画課へ
https://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/kurashi/452/453/454/d067296.html
美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。
・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター