『焦がし黒しょうゆ』 by かつや食堂
メニューの中に「焦がししょうゆの香ばしさがやみつき」と記してある。
元来、醤油派の筆者がこれに心を揺さぶられない訳がない。
焦がし黒しょうゆ(740円)
黒いどんぶりの中に繰り広げられる漆黒の沼。
焦がし醤油が頭にこびりつき、もともと黒々している同店の、昔ながらの醤油ラーメンであるが、それがいっそう黒く見える。
それにしても、今のご時世に740円という抑えめな価格は頼もしい限り。
庶民を代表して感謝状を贈呈したいくらい。
しょっぱいの?味は濃いの?
そんなイメージのあるおつゆだが、簡単な言葉で言い表せるほど、かつやのラーメンは甘くない。
醤油の酸味や甘味、ほんのりごまの香り、加えて油の旨味まで全てが絶妙に調和して、強いて言葉にするならひたすらにコク深い。
そんなおつゆにまみれて、しっとりとした麺のうまさが引き立つ。
これでこそラーメン。食べるテンポもアップし、筆者はすっかり夢中になっていた。
少し時が経ち、麺や具材の諸々がさらにおつゆに溶け込む瞬間。
何もかもが美味しい、病みつきタイムの始まりだ。
お店情報
店名:かつや食堂
住所:旭川市末広1条4丁目
電話:0166-51-9325
営業時間:11:00~15:00/17:00~20:00※月曜日は15:00まで
定休日:火曜日
駐車場:あり
『黒みそ』 by くるる
お次の「黒」は、みそラーメンから。
黒みそ(1,045円)
まず、見た目からワクワクさせてくれる同店のラーメン。
非凡なトッピングの内容に、どんな味かと期待大。
そうそう、黒ですよ。
黒みそ、すなわち黒い味噌を使ったものか、何か黒くする手段を用いたものか。
SNSによれば配合は秘密とのこと。ただ、味噌は特注品らしく、その点からしても只者ではないことは確か。
で、どんな味かって?
濃厚なんだけどさらりとしていて・・・、あ、説明になってませんね。
見た目よりあっさり。いや、濃いとかしょっぱいとか辛いといった端的な特徴でなく、ひたすら穏やかで、それでいて深く、そういった意味では濃い。
おいおい、まとまりのない感想だな、って?
いやはや、スミマセンです。だって、もう筆者が理解できる味わいの範疇を超えているんだもの。
無理して語ろうとすれば自滅しそう(笑)。
ともかくは、想像を超える複雑味。だけど、まとまりがあって口に馴染むんだ。
でもって、食感穏やかな麺との一体感もすばらしい。
ちょこんと添えられた生姜が、時間差で滋味を膨らませてくれる。
そんな工夫も効いて、充実の完食。
お店情報
店名:麺屋くるる 忠和店
住所:旭川市忠和5条6丁目
電話:0166-85-6415
営業時間:11:30~14:30(LO14:00)/17:30~21:00(最終入店)
定休日:火曜日・第3水曜日
駐車場:あり
『ブラックらーめん』 by らーめん蔵
なんとも大胆なネーミングですこと。
前掲の「かつや食堂」が焦がし醤油だったのに対し、こちらは「焦がしにんにく油」で黒を演出。
ブラックらーめん(1,050円)
上澄の黒い感じの部分がにんにく油かな。
そっと顔を近づけてみれば、香りはおだやか。にんにくといってもそれほど恐る必要はないようだ。が・・・・
にんにく油とともに、ちょっとこってりめな醤油のおつゆを味わってみれば・・・・
おおおっ、ガツーンと来たーっ!!
鮮烈な焦がしニンニクの風味。これがおつゆに溶け込んで、何とまあ、その旨さはぐぐっと濃縮されたような深みが。
おろしニンニクをおつゆに解いて、なんて食べ方もまれにあるが、それとはまるで別物。
極めて香ばしく、表現するなら・・・
うーん
やっぱ、ガツーンと来るーっ!! なのである(笑)
いつものしょうゆラーメンが、よりパワーアップ、さらにグレードアップしたような「ブラックらーめん」。
ニンニクをいとわないお方には、かなりツボと思う。ぜひお試しを。
お店情報
店名:らーめん 蔵
住所:旭川市豊岡5条2丁目
電話:0166-32-2345
営業:9:00~21:00
定休:不定休
駐車場:あり
堪能後記
いかがでしたか、ラーメンの黒い演出。
どの店も、店主のアイディアと工夫が込められた、深い味わいでした。
今回は紹介しきれませんでしたが、市内にはまだ「黒」があるようです。
またの機会に、さらに黒の探求を深めてみたいと思う筆者であります。
美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。
・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター