まずはJR旭川駅東口にある「ステーションギャラリー」から
旭川駅ステーションギャラリー
旭川駅の東口にはステーションギャラリーがあります。
旭川駅にはよく行くけど、ステーションギャラリーの存在は知らない、という人もおられるかも知れませんが、イオンのある西口の反対側にあたる東口1Fにステーションギャラリーはあります。
このステーションギャラリーの入り口から少し奥に、ひときわ目をひくアイヌ文様のようなデザインが施された彫刻が展示されています。
旭川駅ステーションギャラリー内部
作者は砂澤ビッキという旭川出身の彫刻家で、その生涯において数多くの作品を手掛けました。
ステーションギャラリーには、そのほんの一部ではありますが作品展示があり、身近に触れることができます。
ギャラリー内にある砂澤ビッキ作品
彫刻家 砂澤ビッキ
砂澤ビッキは、1932年(昭和6年)に旭川に生まれました。
アイヌをルーツに持つ彼は22歳から彫刻を始め、当初鎌倉と阿寒を拠点に活動していましたが、1959年には旭川に戻って芸術活動を行っていました。1978年には現在ミュージアムのある音威子府村筬島(おさしま)に活動拠点を構え、亡くなるまでの間数多くの作品を世に送り出しました。
旭川出身ということもあり旭川市との所縁も深く、JR旭川駅のステーションギャラリーにも作品が展示されることになりました。
エコミュージアムおさしまセンター内にある作品
砂澤ビッキの作品は世界的にも評価が高く、現代アートとして広く受け入れられています。
作品を見ると、単にアイヌ文様の入った作品といったものではなく、人の目を通して感じることができる自然や生物の中にある、はかなくも力強い造形美が独特の世界観で表現されていることがわかります。
エコミュージアムおさしまセンター内にある作品
エコミュージアムおさしまセンター
次に、音威子府村にある「エコミュージアムおさしまセンター」をご紹介します。
国道40号線からの入り口には大きな看板が設置されています。
写真左奥の赤い屋根の建物が「エコミュージアムおさしまセンター」
エコミュージアムおさしまセンターは、音威子府村の市街地から国道40号線を少し北へ進んだところにあります。
JR筬島(おさしま)駅のすぐそばなので、鉄道を利用して訪問することも可能です。
エコミュージアムおさしまセンターBIKKIアトリエ3モア入り口
ここは、砂澤ビッキが晩年に芸術活動を行ったアトリエ跡地で、現在は砂澤ビッキ記念館として広く一般に開放されています。
展示されている作品は100点以上もあり、元の学校だった小さな建物の外観からは想像できないくらい数多くの作品を見ることができます。
廃校を利用した内部は意外にも広く使われていました。
ビッキ文様とも呼ばれる特徴のあるデザイン
作品の表現力の豊かさに驚かされるばかりでした
朽ちることも、また自然であり芸術である。
という考えが砂澤ビッキにはあったようで、その意思を受け朽ち果てるまでが作品であると半壊したトーテムポールがそのままの姿で展示されています。
倒れたトーテムポールもそのままの形で展示されています。
100点以上展示される個性豊かなモダンアート作品
作品づくりに使用した道具類も展示されています。
第2アトリエの様子
エコミュージアムおさしまセンターは入館料が大人300円です。
今シーズンの営業は10月31日までで、以降は冬季休館となります。
静かで力強く、生命のはかなさや自然の飄々とした姿を感じることができる貴重な作品群ですので、晩秋のドライブを兼ねて是非訪れていただきたいと思います。
エコミュージアムおさしまセンター 彫刻家・砂澤ビッキの作品を紹介する記念館
〜みちくさ〜 北海道命名之地
北海道命名之地
エコミュージアムおさしまセンターのすぐそばに「北海道命名之地」があります。
その昔、松浦武四郎がこの地を訪れた際に「北加伊道」と名付けたことから北海道と呼ばれるようになったゆかりの場所です。
本当にエコミュージアムおさしまセンターのすぐそばなので、自動車で音威子府を訪れた場合は、折角ですからちょっと足を運んでみても良いのではないかと思います。
ただ、国道から外れると砂利道になり道幅も狭くなりますので、乗り入れの際は車の運転には十分ご注意ください。
北海道命名之地 入り口付近 国道から外れ砂利道をくだります
まとめ
いかがでしたでしょうか。
砂澤ビッキ作品には作者の内面がエネルギッシュに表現されていて、その独特な世界観は本当に惹き込まれるものを感じました。
芸術の秋、皆さんも是非体感して頂ければと思います。