毎日の暮らしに欠かせない水
季節や時間帯を問わず、いつでも安心して使える水道水になるまでには、多くの工程があります。石狩川と忠別川で水を引き込み、市内2つの浄水場で浮遊物の除去や殺菌・消毒を経て、きれいにします。人の目も加えた厳格な水質検査をクリアすると、3つある配水池でためられ、配水管を通って私たちの元に届きます。
屋根付きの石狩川浄水場
24時間体制の中央管理室
■良い水源がふるさと
サケが遡上するほど水がきれいな石狩川と忠別川の源は、大雪山系。さらに両河川は上流に化学物質等を扱う工場がなく、浄化に多くの薬品を必要としないため、国の基準に合致した「おいしい水」ができます。
■1日に使う水の量は?
市民1人当たり、1日に約300ℓの水を使っています。500㎖のペットボトルで600本分もの量になります。一方、人口減少と節水意識の高まりなどで、使用量は平成12年をピークに徐々に減っています。
■家庭での水の備蓄を
平成30年の北海道胆振東部地震では、停電で浄水場の設備が停止。配水池の水を供給し、事なきを得ましたが、対策として2つの浄水場に発電機を導入しました。万一に備え、ご家庭でも水の備蓄をお勧めします。
■正確で信頼できる検査
浄水場では機器や目視による100項目以上の検査を実施。厳しい基準をクリアし、日本水道協会が水質検査の正確さと信頼性を保証する「水道GLP(優良試験所規範)」を取得し、更新を続けています。
■魚が安全性をチェック
安全な水をつくるために、生き物が活躍しています。浄水場へ川から水を取り入れる際、川の水の中でヒメダカとニジマスを泳がせ、毒物がないかどうかをチェック。その様子は常時カメラで監視しています。
■水道管の長さは?
浄水された水道水は、配水池から地下に張り巡らされた配水管を通って各家庭に届きます。配水管の長さは、合計すると約2,230㎞。これは直線距離にして、旭川から鹿児島県の与論島までの距離になります。
寒さに負けない水道をつくるため、奮闘中!
旭川市水道局
石狩川浄水場
大竹佑季さん
屋外の水が凍結するほどの寒さでも水道水を常時供給するため、現場では様々な工夫がされています。石狩川浄水場で設備を管理する大竹佑季さんに聞きました。
「浄水場に水を引き込む施設では、氷や雪が取水口をふさぐおそれがあるため、冬に特別な対策を行っています。雪氷の塊は『アイスジャム』と呼ばれ、大きい物だと大人の背丈ほどの氷となります。監視モニターで詰まりを発見すると、アームの長さ10m以上の特殊な重機で氷を除去したり、長いスコップ等で割ったりします。現場の体感温度は市街地より3〜5℃低く、川に落ちないよう注意も必要なため、厳しい作業です。
平成13年にはアイスジャムの影響で市内が断水。これを受けて設備を改良した他、毎年秋から重機で川岸などを整備しています。今では先進的な取組みとして、市外からの視察もあります。
石狩川浄水場は昭和40年に給水が始まりました。中には更新していない、または耐用年数を超過した設備もあります。これらは、使用頻度や故障時の影響度を踏まえて長期的な整備計画を立てています。同様に、凍結対策のため地下1・4mにある水道管の更新も大きな課題です。お預かりした水道料金を適切に設備投資に回し、安全安心なライフライン維持につなげたいです」と話します。
真冬の川に発生したアイスジャム
特殊重機でアイスジャムを取り除く
水道の仕組みを学ぼう!水道施設見学
大切な水道水への理解を深めるため、施設を見学してみませんか?次の施設で平日に見学できます。事前に電話でご相談ください。
●石狩川浄水場(末広東2の7 57・5003)
●忠別川浄水場(東神楽町ひじり野北2の6 83・3663)
冬は水道凍結にご注意を!
こんなときは「水落とし」を
●最低気温が-4℃以下になるとき
●旅行など長期間留守にするとき
●0℃以下の真冬日が続くとき
※上記は目安であり、環境によって異なります。
漏水や水道管破裂・トラブル等の相談は水道局管路管理課 24・3140
土・日曜日、祝日、夜間はお客様センター 24・3163
施設等の老朽化対策が課題
蛇口をひねると当たり前のように流れる水道水は、取水口から水道管まで、膨大な施設・設備を通じて届けられています。導入されてから数十年経過したものも多く、今後も老朽化対策が必要です。水道事業は令和4年7月の料金改定で健全な運営ができていますが、さらなる効率化など経営努力を進めていきますので、引き続きご理解ご協力をお願いします。