四條庵の『かきたまそば』
そば屋でいうところの「かきたま」とは、溶き卵を熱いおつゆに流し入れてまぜまぜしたもの。
よくある「とじ」(卵とじ)と何が違うの?
決定的な違いは、その熱いおつゆには片栗粉でとろみがついていることだ。
同店ではメニューに「卵とじあんかけ」と注釈がついている。
注文すると、ほどなくして厨房から卵を溶く音が。
自分のかなあと、ちょっとワクワクする。
かきたま(1,040円)
おおっ、どんぶりいっぱいに、た~っぷりなかきたま。
メニューには「とじ」もあるが、寒い日は「かきたま」に限る。
なぜかと言うと、とろみのおかげでそばが冷めにくい。
表面のとろみが、そば全体にフタをするような恰好になるからだ。
だから長時間あつあつを楽しめるという訳。
とはいえ、ほわほわと湧き上がる湯気を避けての撮影は大変(笑)
とろみがからんだ卵はとろとろ。
いや、とろみならではの弾力もあるので、正確に表現するならとろとろよりは「トゥルントゥルン」と書くのが相応しい(笑)
これが口に喉に、なんと気持ち良いこと!!
また、元来ちょい甘めなおつゆも、とろみのおかげでよりコク深い。
ともかくあつあつなので、お試しの際は「やけど注意」でお願いします(笑)
とろみの中から麺を引き上げるには、普段よりちょっと力が要る(笑)
が、あんかけに溶け込んだ更科の細麺は、持ち味の素朴な風味がより膨らんで、そば食の楽しさを倍増してくれる。
とかなんとか、とにかくいつまでもあつあつ。冬なのにおでこがちょっと汗ばむのは、暖房のせいばかりではない。
お店情報
店名:そば処 四條庵 東
住所:旭川市東4条8丁目
電話番号:0166-76-6930
営業時間:11:00~20:00
定休日:金曜日
駐車場:あり
信楽たぬきがお見送り。
一瞬、そば源に来たんだっけ?と(笑)
うどん太三郎の『豚キムチ』
お次は、その名の通り「うどん店」からあつあつの一品をご紹介。
豚キムチうどん(1,100円)
鍋焼きスタイル。
出来立てほやほや、ごらんの通り、着席してもまだぐつぐつしている。
熱いものは熱いうちに。料理のセオリーを体現する、実に頼りがいのあるお店。
もう、これを見ただけで体が温まりそう。
キムチのタレが溶け出して、おつゆはもちろんキムチ風味に。
まずひと口いただいてみれば、思いのほかマイルド(キムチなので辛いものは辛いですが)。
察するに、キムチにも激辛とか中辛とか、あるいは熟成感があるとか浅いとか様々な味わいがあって、そんな中から同店のうどんつゆに合う、かつ、多くのキムチ好きの口に合うものを使ってくれているのだろうと。
ともかくは、良い塩梅。
もともとキムチチゲなどは好みとする方なので、このうどんはツボだ。
ああ、この卵のなんとうれしいこと。
キムチに卵黄が相まって、おつゆはよりまったりとして味わい深い。
もちもちのうどんと、むちむちの豚を卵黄にからめて。
いやはや、この下りが「豚キムチ」の旨さのピーク、まさに醍醐味か。
早くもカプサイシンが効いてきたか、じんわりと身体が温かい。
キムチチゲ的なものって、夏に食べても美味しいが、やっぱ冬に限りますな。
また、勝手な憶測だが、そばよりうどんの方が、あつあつ感があるような気も。
お店情報
店名:うどん太三郎
住所:旭川市2条通20丁目
電話:0166-33-3594
営業時間:10:30~16:00
定休日:月曜・火曜
駐車場:あり
駅前やぶそばの『あんかけ五目』
さて、お次は再びのとろとろ効果、あんかけものをご紹介。
これまた、身体ポカポカ、あったますよ~。
あんかけ五目そば(900円)
以前、筆者がasatanで、ここの五目そばを取り上げたが、だからこその今度は五目「あんかけ」で。
その違いを楽しんでみたくて。
概ね、具の顔ぶれはふつうの五目と同じかと。
ただ、四角くむっちりなかまぼこや旨味ギュッなお肉だとか、あんが絡んでより味わいが増すものだから、五目そばとしての楽しみ甲斐が大きくなった。
しかも、ほくほく熱くて旨し。
そばも然り。
あんが絡んだそばは、あつあつで、いつもの五目より断然食べ応えがある。
ふうふうしながら味わえば、これまたあんのおかげか、蕎麦の素朴な素材味が普段よりしっかりと伝わってくる。
完食すれば、お腹もあつあつで満足度は大。
あんかけって、食べ得があるのかも(笑)
お店情報
店名:駅前やぶそば
住所:旭川市宮下通7丁目駅前ビル1F
電話:0166-22-3884
営業時間:11:00~19:00
定休日:第2・4水曜日(水曜日が祝日は翌日休み)
駐車場:なし

カラダほっこり後記
いかがでしたか。
暦は「大寒」となり、しばれる日が続く頃となりました。
熱々なものは確かに良いですが、できるなら、心まで温まるような良いものを良い店で是非。
そんな思いもあって綴ったのがこの特集であります。
皆様もどうぞ、温かくお過ごしくださいませ。
美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。
・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター