取引額数億円にもなる中国の陶磁器をご紹介

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旭川に住む美術品・骨董品マニアの私が、有名作家や作品を世に広めるため、詳しくご紹介します!また、お宝をお持ちの方におすすめの買取り店もご紹介。


多彩な上絵の具で文様が描かれた貴重な『五彩(ごさい)』

中国の陶磁器における「五彩(ごさい)」は、白磁の表面に赤・緑・黄などの多彩な上絵の具で文様を描き、焼き付けた技法の総称です。日本では一般的に「赤絵(あかえ)」と呼ばれ、親しまれています。

「五彩」という言葉は、文字通り「5つの色」を指すのではなく、「多くの色で彩られている」という意味を持っています。

五彩は、二段階の焼成プロセスを経て作られます。

まず、本焼き(高温焼成)で1300℃前後の高温で白磁を焼き上げます(この際、下絵としてコバルトで描く「染付」を行うこともあります)。

そして絵付けと錦窯(低温焼成)を行います。焼き上がった釉薬の上に、赤・緑・黄・紫・黒などの上絵の具で図案を描き、800〜900℃の低温の窯(錦窯)で再び焼き付けます。

五彩は時代によってそのスタイルや呼び名が大きく異なります。

明代の景徳鎮(けいとくちん)官窯で、五彩は飛躍的な発展を遂げました。宣徳(せんとく)五彩は、ごく初期の形態で、現存するものは非常に稀少です。成化(せいか)斗彩(とさい)は五彩の派生形で、染付で輪郭線を描き、その中を色絵で埋める繊細な技法です。嘉靖(かせい)・万暦(ばんれき)五彩は、一般的に「万暦赤絵」として知られるスタイルで赤を基調とし、濃い緑や黄色を用いた、器面を埋め尽くすような濃厚で華麗な装飾が特徴です。

清代に入ると、さらに化学的な進歩により色のバリエーションが増えます。

康熙(こうき)五彩は、明代の力強さを引き継ぎつつ、透明感のある美しい発色が特徴。「ファミーユ・ヴェルト(緑家族)」と西洋で呼ばれるほど、美しい緑色が多用されました。雍正(ようせい)期以降、不透明な白(砒素)を混ぜることでグラデーションを可能にした「粉彩」が登場。より絵画的で写実的な表現へと移行していきました。

日本の陶磁器文化、特に「伊万里焼(有田焼)」は、17世紀に中国から輸入された五彩の技術やデザインから多大な影響を受けました。初期の伊万里焼に見られる「古赤絵」スタイルは、万暦五彩をモデルにしています。

現在の取引額は数百万円~数億円

中国史上最大かつ最も有名な青磁の産地『龍泉窯(りゅうせんよう)』

龍泉窯(りゅうせんよう)は、中国の浙江省(せっこうしょう)龍泉市を中心に栄えた、中国史上最大かつ最も有名な青磁の産地です。
その歴史は1000年以上にわたり、特に南宋時代から元代にかけて、透き通るような美しい青色(翡翠色)の青磁を完成させ、世界中で愛されました。日本でも鎌倉・室町時代から「最高級の宝物」として珍重されてきた歴史があります。
主要な特徴と、時代ごとの呼び名の違いを分かりやすく整理して解説します。

龍泉窯の3つの大きな特徴のひとつに「玉(ぎょく)」のような質感があります。
釉薬(うわぐすり)を何度も重ね掛けすることで、独特の厚みと、しっとりとした深みのある質感を生み出しています。
そしてふたつめは多彩な青のバリエーションです。時代や焼き方の違いにより、水色に近いものから、深い緑色、黄色みを帯びたものまで幅広く存在します。
三つ目の特徴として世界への輸出と影響があり、「海のシルクロード」を通じて日本、東南アジア、中近東、ヨーロッパへ大量に輸出されました。フランスではこの色を、羊飼いの衣装にちなんで「セラドン(Celadon)」と呼び、それが青磁の国際的な名称になりました。

日本では、龍泉窯の青磁を時代や釉薬の色合いによって大きく3つの区分で呼んでいます。 何宋時代のものは砧青磁(きぬたせいじ)と呼ばれ最高峰の品で透明感を抑えた「粉青色(ふんせいしょく)」と呼ばれる、淡く澄んだ美しい水色が特徴です。
元〜明初頭のものは天龍寺青磁と呼ばれ釉薬に透明感が出て、色はやや黄色みを帯びた深い緑色になります。彫り模様(陰刻)などの装飾が増えます。
明時代中期から後期のものは七官青磁(しちかんせいじ)と呼ばれ釉薬がより薄くなり、ガラス質で光沢が強くなります。色はやや濁った緑や灰色に近づきます。

龍泉窯には、章という兄弟が別々の窯を経営していたという有名な伝説があります。
哥窯(兄の窯)は、表面に網目のような細かいひび割れ(貫入)が入っているのが特徴で、弟窯(弟の窯)は、ひび割れがなく、滑らかで美しい青色の青磁。一般的な龍泉窯のイメージはこちらです。

2009年、龍泉窯の伝統的な焼成技術は、ユネスコの世界無形文化遺産に登録されました。現在も龍泉市では多くの作家が伝統を受け継ぎつつ、現代的なデザインの青磁を制作しています。

現在の取引額は数百万円~数億円

中国陶磁器の新しい美意識への大転換点となった『元染(げんそめ)』

「元染(げんそめ)」とは、中国の元時代(1271年〜1368年)に作られた「青花(せいか)」、いわゆる染付(そめつけ)のことです。

それまでの中国陶磁器の主流だった「形と釉薬の美しさ(青磁など)」から、「白地に青い絵を描く」という新しい美意識への大転換点となった、非常に重要な時代です。

元染は、後の明・清時代の繊細な染付と比べて、非常にダイナミックで力強いのが特徴です。

鮮やかな発色がで 西アジア(ペルシャ)から輸入されたコバルト顔料(蘇麻離青:すまりせい)を使用し、深く、時に黒ずむほど濃厚な藍色が特徴で、鉄分による黒い斑点(鉄銹斑)が出ることがあります。そして、緻密な文様構成になっており器の表面を数段の帯状に区切り、隙間なくびっしりと文様を描き込むスタイルが多いです。これはイスラム圏の美術様式の影響を強く受けています。イスラム教徒の「大皿を囲んで食事をする」という習慣に合わせ、40cmを超えるような大皿や大型の壺が数多く作られました。

元染は、モンゴル帝国による「東西交流」が生んだハイブリッドな芸術品です。中国の技術である景徳鎮(けいとくちん)の優れた白磁製造技術。イスラムの原料であるペルシャ産の良質なコバルト顔料。そして中近東の王侯貴族からのオーダーメイド注文が多く多国籍な需要があった芸術品です。これらが組み合わさり、それまでの中国にはなかった「鮮やかな青と白のコントラスト」が誕生しました。

元時代には、青だけでなく赤色の絵付けも開発されました。これが「釉裏紅(ゆうりこう)」です。青花(染付)は、酸化コバルトを使用。青く発色し、酸化銅を使用して還元炎で焼くと赤く発色するものが釉裏紅です。

元染と同じ時期に景徳鎮で始まりましたが、銅は温度管理が非常に難しく、綺麗に赤く発色した元代の作品は極めて希少です。 日本では、この時代の力強くも格調高い染付を「元染」と呼び、古くから茶人や収集家の間で最高峰の品として大切にされてきました。特に、後の時代に作られた「写し」と区別して、元代の本歌(オリジナル)は美術館級の価値があります。

イギリスのデヴィッド卿が収集した「デイヴィッド・ベース(至正11年銘青花雲龍文象耳瓶)」は、制作年代がはっきり記されている世界で最も有名な元染の一つです。

現在の取引額は数百万円~数億円

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