巧みな彫物を施した作品が魅力の【堀川国広】
1590年(天正18年)頃、下野国(現在の栃木県)の足利学校に入学。ここで、長尾顕長(ながお あきなが)の依頼で名刀「山姥切」の写しである「山姥切国広」を鍛刀しました。これは国広の最高傑作の一つとされています。 1599年(慶長4年)頃から京の一条堀川に定住し、晩年まで作刀を続けました。
堀川国広は、同時代の埋忠明寿(うめただみょうじゅ)と並び、「新刀(しんとう)の祖」と称されることが多いです。新刀とは、慶長(1596年)以降に作られた刀剣を指し、国広の作風は新刀の代表的な姿を確立しました。京に定住してからは多くの優秀な弟子を育成し、堀川派(堀川一門)を形成しました。
主な弟子には、出羽大掾国路(でわだいじょう くにみち)、和泉守国貞(いずみのかみ くにさだ)、河内守国助(かわちのかみ くにすけ)など、のちに名工として活躍した刀工がいます。彼ら一門の作品は「堀川物」と呼ばれ、新刀期に一大勢力を築きました。
現在の取引額は数百万円~数千万円
大坂新刀を代表する名工の一人【井上真改】
父である初代国貞に師事し、若い頃から頭角を現します。慶安5年(1652年)、父の死に伴い24歳で家督を相続し、2代目「国貞」を襲名しました。同年中に藩主の命により「和泉守」を受領し、「和泉守国貞」と銘を切ります。寛文元年(1661年)、朝廷に作品を献上し賞賛され、十六葉菊花紋を刀の茎(なかご)に入れることを許されます。
寛文12年(1672年)8月以降、儒学者の熊沢蕃山の命名により「真改」(心身共に真に改めるという意味)と改称し、「井上真改」と銘を切るようになりました。
井上真改の作刀は、このような点が特徴とされています。地鉄(じがね)は、大坂新刀屈指の美しさを持ち、刀の地鉄(じがね)に、肉眼で確認できる細かい粒子の「地沸」が、隙間なくびっしりと層をなしている状態になっています。刃文(はもん)は、直刃(すぐは)や大湾れ(おおのたれ)で、匂口(においぐち)が極めて深く明るく冴え、沸(にえ)がよくつくと言われ、星が輝くように粒立った白い輝き(沸)がたくさん表れている状態を指す褒め言葉が良く使われます。彼は作刀の際には身を清め、最高級の素材を用いたと伝えられています。
現在の取引額は数百万円~数千万円
50歳を過ぎてから刀工に転身した異色の経歴を持つ【長曾根虎徹】
当初は長曽祢興里(ながそね おきさと)と名乗っていました。後に入道(仏門に入る)し、「虎徹」の銘を切るようになりました。銘には古い順に「古徹」「虎徹」「乕徹」の3種類が使われました。
虎徹の刀は、その品質の高さと切れ味で非常に有名です。切れ味は最上大業物(さいじょうおおわざもの)に選定。後世の試し斬り名人・山田浅右衛門による格付けでも、最高位と認められています。地鉄は甲冑師として鉄を扱っていた経験から、強靭で肌合いの美しい地鉄を鍛え上げました。初期の刃文(はもん)は大小の互の目(ぐのめ)が連続した瓢箪刃(ひょうたんば)が特徴的で、後期は、丸い玉を連ねたような数珠刃(じゅずば)が見られます。
元甲冑師であったため、鉄の鍛えに長けており、庭の松の太枝を切った際に、傍にあった石灯籠まで切り込んだという逸話から名付けられた「石灯篭切虎徹(いしどうろうぎりこてつ)」などの名刀があります。虎徹の刀は無類の切れ味を誇り、最上大業物(最もよく切れる刀)に選定されています。その技術力から「新刀の横綱」と評されました。新撰組局長・近藤勇の佩刀(はいとう)と伝えられるなど、多くの著名人に好まれました。 特に新選組局長・近藤勇の愛刀として「虎徹」は非常に有名で、「今宵の虎徹は血に飢えている」という台詞でも知られ、池田屋事件の激しい戦闘を長時間戦い抜いても折れも曲がりもしなかった剛刀として伝わっています。しかし、現在では、近藤勇が所持していたと伝わる刀は、長曽祢興里の真作ではなく贋作(偽物)であったというのが通説となっています。真贋はともかく、近藤勇が「虎徹」に強い憧れを持ち、戦闘用として上等の刀を選びたかったという思いが、書簡などからうかがえます。
虎徹の刀は、現存する数が少ないこともあり、古くから非常に人気が高く、愛刀家垂涎(すいぜん)の名刀とされています。その人気の高さと銘が真似されやすかったことから、江戸時代からすでに多くの贋作が出回っており、現在でも「虎徹を見たら偽物と思え」という言葉が刀剣界では有名になっています。長曽祢虎徹は、その卓越した技術と異色の経歴、そして新選組にまつわる逸話により、今なお多くの人々を魅了し続けている刀工です。
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