【旭川市】旭川市開村130年記念特集 旭川家具の誕生からデザイン都市旭川へ

【旭川市】旭川市開村130年記念特集 旭川家具の誕生からデザイン都市旭川へ

旭川市は今年で開村130年。 様々な苦境を乗り越えてきた先人たちの努力を 4回にわたって紹介します。 2回目は、旭川家具の誕生から デザイン都市に認定されるまでの軌跡を振り返ります。


新たな地場産業の誕生

木挽場で、伐採した木を挽いて木材にしていた

 旭川には開村当初から木挽場があり、近隣から伐採してきた木の製材を行っていました。明治30年代、第七師団が札幌から旭川へ移駐することが決まると、師団建設のために多くの建築・建具職人が移住してきました。さらに、旭川駅の開業と鉄道の開通などで、まちには建設労働者があふれ、旭川村の人口は急激に増えていきました。
 当時の地域経済は、稲作を中心とする農業と交通の要衝を背景にした商業によって支えられていました。しかし、大正2年、冷害による史上最悪の米の大凶作が起こり、地域経済は大打撃を受けます。

木工伝習所

 その翌年に区制制度が施行され、初代旭川区長に就任した市来源一郎氏は、農業と商業に依存していた当時の経済体質を危惧し、天候に影響を受けない木工業の振興に力を入れた取組みを始めます。振興策の内容として、木工技術を学ぶ木工伝習所の開設や、技術改善と市場調査を目的とした産業視察員の派遣、木工品展覧会の開催などがありました。市来区長による積極的な振興策で地域経済は安定し、行政と木工業との協働により旭川は家具産業都市として徐々に進展していったのです。

全国に飛躍する旭川家具

 昭和10年代半ば、第2次世界大戦が始まり、政府による戦時体制の強化が図られると旭川の家具産業は厳しい状況に置かれますが、終戦後はそれまでの規制が緩和され、徐々に活気を取り戻していきました。本州と比べて戦争の被害が比較的少なかった北海道では、主に進駐軍用の宿舎で使う家具や建具の製造を行っていました。

 昭和30年、新たな販路開拓のため、本州から小売業者を招き「第1回旭川木工祭」を開催します。
 各地の小売業者を産地に集めて家具販売を行う新たな方式は注目を浴び、木工祭は成功を収めました。その後、旭川木工振興協力会から職人の技術力向上とデザインの追求にもっと力を入れていきたいという要望があり、木工芸指導所(現在の工芸センター)を開設したのです。

旭川木工祭の様子

 旭川家具の知名度をさらに全国に広げるため、東京で開かれた全国優良家具展(全優展)に出展します。昭和4
0年には上川木工が、最高賞である内閣総理大臣賞を受賞し、その後も相次いで入賞を果たします。
 旭川家具というブランドが全国に認知され、旭川の家具産業は勢いに乗っていきました。

全国優良家具展で内閣総理大臣賞を受賞した、上川木工の家具

工芸センター元所長(平成26年まで在籍) 堀川邦男さん

木工芸指導所では、先進都市への視察や、国から補助を受けて新技術・製品開発の研究設備を導入するなど、木工業の進展に向けた取組みを行ってきました。
こうして、産学官が一体となり、道外にも劣らない家具産地を形成するために実績を積み上げていったのです。

「需要の変化」に迫る危機

 平成という新しい時代に入り、人々の暮らしは少しずつ変わっていきます。旭川家具工業協同組合の杉本啓維さんは、この時代が旭川家具の転換期に当たると話します。

旭川家具工業協同組合専務理事 杉本啓維さん

 「その頃、生活様式の変化や婚礼家具の需要が減ったことにより箱物家具の売上げが減少し、国内のたんすメーカーは相次いで廃業していきました。そこで、旭川の家具業界は需要の変化に対応して、箱物家具だけではなく、椅子などの脚物家具にも力を入れ、家具にデザインを取り入れようと考えました。時代の移り変わりの中でデザイン力を磨き、それを旭川家具の強みにしていったのです。
 
 開村100年を迎えた平成2年には、国際家具デザインフェア旭川(IFDA)を開催しました。これは3年に1度開催しており、中でも家具のデザイン性を競う家具デザインコンペティションは、今や海外でも注目されるイベントにまで成長しました。
 
 このコンペの試作品製作には、旭川の家具メーカーが全面的に協力しています。参加したデザイナーの案を基に、短期間で製作する厳しい作業ですが、世界各国の豊かな感性や最先端のデザインを吸収し、デザイナーの思いを忠実に再現するという技術力を鍛える経験にもなっています。
 
 旭川家具工業協同組合では、洗練されたデザインと巧みな技術に加えて、家具に北海道産材を使用する取組みも行っています。北海道の森林資源が成長し続ける一方で、十分に活用されていないのが現状です。積極的に道産材を使い、家具だけではなく、北海道の森とも向き合っています」

暮らしとデザイン

 IFDAの継続的な開催を通し、デザイナーとの国際交流や新しい家具の発掘を行う他、市民にデザインを身近に感じてもらおうと、平成27年から旭川デザインウィークを毎年開催しており、こうした取組みが評価され、平成29年6月には、デザインに関する先進的な取組みを行う都市として、インテリアデザイナー団体の国際組織である国際インテリアアーキテクト/デザイナー団体連合(IFI)とIFIインテリア宣言を行いました。
 
 デザインという新たな視点から旭川の魅力や観光資源を再発見し、地域産業の活性化を進めています。

IFIインテリア宣言調印式の様子

デザイン都市へ

 こうして、先人たちが長年続けてきた家具やデザインに関する取組みが実を結び、旭川市は昨年10月に、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)が実施する「ユネスコ創造都市ネットワーク」にデザイン分野で加盟認定を受けました。
 デザイン都市旭川のロゴマークを制作した、市内のデザイン会社・20パーセントのグラフィックデザイナー細谷 塁さんに話を聞きました。

20パーセント グラフィックデザイナー 細谷 塁さん

 「私の主な仕事は、商品パッケージやポスター、広告など、様々な物をデザインすることですが、デザインをする上で一番大事にしているのはクライアントとのコミュニケーションです。この商品を誰にどんな風に使ってほしいのかを話し合い、時には商品開発から携わることもあります。
 
 デザイン都市旭川のロゴマークは、ユネスコ創造都市ネットワークへの加盟が認定されたことを受け開催された、ロゴマークのコンペティションに応募して選ばれたものです。先に加盟認定を受けている9都市のほとんどは市章を使用していたのですが、デザインの中心にあるのは、ものづくりをする『人』だと思い、人が前に進む姿をモチーフにしたマークを作りました。
 
 旭川がデザイン都市であるということを、もっと多くの人に知ってほしいです。デザインを通して、たくさんの人や地域とつながりを持てればと思います」

デザイン都市旭川のロゴマーク

旭川から世界へ

 米の大凶作がきっかけで始まった旭川家具の歴史。そこには、職人たちが常に持ち続けた家具作りに対する向上心と旭川家具を全国へ広めたいという熱い思いがありました。

 先人たちが培ってきた高い技術力とデザインを強みに、旭川家具はデザイン都市から届ける家具として、多くの国と地域に広がっていくでしょう。

旭川デザインセンターで開催中(来年3/28㈰まで) COOK & EAT 自宅で楽しむ食事時間

 旭川デザインセンター(永山2の10)のショールームでは、自宅での料理(COOK)や食事(EAT)の時間にスポットを当てた企画展を開催しています。

 オリジナルキッチンやダイニング家具で「自宅での食事時間」が演出されており、食器などを使用したテーブルコーディネートで、より具体的な食事時間を体感できます。
 
 インテリアや家具の他にも、木工クラフト製品の展示・販売も行っているので、ぜひお越しください。

【詳細】 旭川デザインセンター 48・4135

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