「肉丼」 ~あさの
まずは永山の人気店から、筆者が思う「豚丼ってこういうもの」の最たる例をご紹介。自身もリピートする豚丼は、同店では「肉丼」という名で供される。
肉丼(800円)
筆者が理想とする(筆者の好きな)豚丼は、肉と玉ねぎを、ややとろみある醤油ダレをからめてソテーしたもの。
玉ねぎは少な目がいい。多いと肉の食感を邪魔するからね。タレも然り。多すぎると米の味が損なわれる。
というのがカタチになったのが同店のコレだ。
味付けはちょっと甘いかな。というのが初めて食べたときの印象だった。
これは食べきれないかも(甘いのは飽きる)とも思ったが難なく完食してしまった。
タレの甘味は旨味となり肩ロースの風味を十分に生かしているようで、また、いい意味で適当な肉の切り方、肉と飯の量(バランス)も丁度良く、とにかく食べ応えは痛快。
万人の心を胃袋を掴む、いわゆる食堂の味は無敵。これが長年愛され続ける「あさの」の味かと、以来病みつきなのだった。
お店情報
店名:あさの
住所:旭川市永山7条13丁目2-6
電話:0166-47-4550
営業時間:11:00~20:00
定休日:木曜日
駐車場:あり
「ぶた丼」 ~きくち
さて、お次は前掲の豚丼とは全くタイプの違う一品をご紹介。
ちなみに同店は看板に(ほぼ)偽りなし! メニュー表にはラーメン(種類あり)と豚丼ばかり。ちらっと中華丼と炒飯の文字があるけどね(笑)。
店は寡黙なご夫婦(かな?)が静かに切り盛りしている。
オーダーを受けると、二人のうちどちらかがスッと焼き台に向かい肉を。ふと見ればもうひとりが釜に麺を投入している。
老舗らしい阿吽の呼吸が、見ていて清々しい。
ぶた丼(単品は750円)
実はこの日、というかいつもだけど、ミニラーメンも一緒にオーダー。
ぶた丼とミニラーメンがセットで1000円となっている。
同店の品は、大きな器でボリューム満点!という訳ではないので、セットもオススメだ。
肉はガスの焼き台でグリルして、焼き上がったものにタレをからめてゴハンにオン、という具合。
なので、前掲「あさの」のフライパンでソテーしたものとは、風味が違う。
タレはやや濃い目。だが、上からダラダラとかけているわけではないので、ゴハンはべとべとになることはない。
肉には青ネギを少し飾っただけで、「あさの」に見られるような玉ねぎは混在しない。
総じて、風味は至ってシンプル。これがきくちの豚丼だ。きりっとしたタレが香る白米もすいすいと箸が進み、食べるほどに食欲が湧く思いがする。
「あさの」の章の冒頭で言った我が「理想の豚丼」とはまったく違うのに、これはこれで筆者の心を捉えて離さない。
こういうのを「さすが」の味という言うのだな。
お店情報
店名:きくち
住所:旭川市東旭川北1条4丁目
電話番号:0166-36-2320
営業時間:11:00~19:30
定休日:木曜
駐車場:あり
「豚丼定食」 ~緑橋カウンター
さてさて、老舗2店を紹介したところで、3杯目は昨秋開店のニューフェイスがつくる豚丼をご紹介。
同店のラーメンなどを別な記事で紹介してるが、実は豚丼も評判だ。
豚丼定食(680円)
提供は火・水・木曜のみ
定食というだけあって、メインの豚丼の他、ミニサラダや香の物が数種添えられていて美味しそう。
また、味噌汁は大き目で、具も多い。汁ものをぞんざいに扱う飲食店が多い中、こういうのはとても気持ちが良い。
ほんと、こういうとこって大事なんだよなぁ。
同店は新しいが、作り手は経験豊富。
盛り付けや薬味にも工夫が見られ、またこれが食欲をそそるのである。
タレはやや甘め。これが絡んだ肉は肩ロースとバラが混在していて食感はおもしろい。
で、結局のところ、ぺろっといけちゃう(完食してしまう)のだから、コレすなわち、相当に旨いのである。
開店以来、日々進化を続ける同店。
豚丼にとどまらず、どんな美味しいものが飛び出すか、非常に楽しみだ。
お店情報
店名:緑橋カウンター
住所:旭川市3条通8丁目緑橋ビル1号館
電話:090-2876-4771
営業:11:30~14:00
定休:土曜、日曜、祝日
駐車場:なし
満腹後記
タイプの違う3つをご紹介しましたが、アナタの好みに合いそうな豚丼はありましたか。
一説によると、旭川は豚のまち(かつて養豚が栄えたマチ)なんだそうで、だからホルモン屋が多いとか。
ならば豚丼も!と応援したい筆者なのであります。
旨い豚丼に巡り合いましたら、また紹介したいと存じます。
美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。
・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター