撮り鉄【JR貨物】レッドベアを追え!!

撮り鉄【JR貨物】レッドベアを追え!!

旭川市内を往来する貨物列車。その先頭にいる機関車が『レッドベア』だ。本編でその強く逞しい姿と、貨物列車の尽きない魅力を綴ります。


ん? 何やら聞いたとこのあるタイトルでは?と思ったアナタはきっと映画通。そうです、ショーンコネリー主演の、筆者も大好きな作品『レッドオクトーバーを追え』にあやかりました(笑)

What's RED BARE

正式な名称は『DF200形(がた)ディーゼル機関車』という。老朽化した機関車の置き換えのため開発され、平成以降、配置された車両だ。
「レッドベア」は公募によりつけられた愛称(ECO-POWER RED BEAR)の略。車両側面にロゴが描かれている。

機関車の全長は19.6メートル。全幅約2.8メートル。簡単に例えると大型バスより大きい。
パワーは3,400馬力から3,600馬力(製造時期で違いあり)。
ちなみに大型トラック(10トントラック)は概ね400馬力位。
比べるまでもないが、車両1台が運べる荷物の量でいうなら、レッドベアが断然多い。数字でいう根拠に乏しいが、あのずらり長い貨物の量を想像するに、やっぱ鉄道ってすごい。コストパフォーマンスの点、および、近年のトラックドライバー不足を背景に、トラック輸送から鉄道輸送への転換を検討している企業も多いとか。

Photography

貨物列車見学の面白さ、楽しさは、そのたくさんの荷物(貨車)による「長さ」。
とくに蛇行する様子は、さながら何かの生き物のようで、見ていて飽きない。

上画像は、カーブを行くレッドベアと貨車たちを見学できる筆者お気に入りのスポット。
神居町春志内の江神橋(忠和から多度志に向かう道にある)から狙った1カット。ここでは右カーブ、左カーブと続けざまに蛇行する様子が見学(観察ともいう・笑)できる。
動画でお見せすればよりくねくね感をお伝えできるのだが、その点、ちょっと残念。

機関車の力強さや逞しさといったイメージは、冬の景色の中でこそ、より感じられる。上は前の冬、かなりの降雪の中、ひょっとした運休かもと思いつつ待機しながら撮ったもの。

上2カットは、同日同時刻のもの。新旭川駅方面から北旭川駅(貨物駅)を目指すレッドベア。
筆者の立ち位置付近(もちろん敷地外)を、粉雪を舞い散らせ過ぎ去る様は圧巻だ。

上は、日暮れの早い冬の夕方。
4灯のライトが輝く車両フロントの表情は、かなり遠くからもそれがレッドベアだということを伝えてくれる。

上も前掲同様、夕闇に光るライト。
車内の明かりがもれる客車と違い、貨物列車は、例えるなら闇夜のカラス。
周囲の闇に溶け込んだ車両が撮れた、お気に入りの1枚。

上2枚は石狩川にかかる鉄橋を、レッドベアが札幌方面に向け走る様子を連写。
レッドベアが通り過ぎてもなお、そのあとに長く続く貨車が撮れた。
貨物列車の魅力は、何を積んでどこに行くんだろう・・・、というノスタルジックを想起させる点にある。

ちなみにこの貨車は、札幌、そして本州は関東、関西に向かう。
ノスタルジックとか言いながら、いきなり現実的な話をすると(笑)、えんじ色のコンテナはJRF(日本貨物鉄道)のロゴが入った、ごく一般的に使われるもの。白いコンテナはJOT(日本石油輸送)の低温コンテナで、野菜などの生鮮品が積まれていると思われる。

コンテナの話は続きます。

貨物列車を観察していると、実に様々なコンテナや形状の変わった貨車のあることが分かる。
例えば、ハウスメーカーのロゴが入ったコンテナがあったりして、あれにはその会社の資材が積まれているんだろうな、とか。
上の白い貨車は、ちょっと調べてみたら、ホクレンが所有する生乳を運搬するためのタンクのよう。
貨物列車って、多用途に細かく対応できるのね。

積み荷の話になったなら、以下の話は避けて通れまい。
上は、通称「たまねぎ列車」。8月から4月まで運行される臨時列車だ。走行している時刻から、それが当該列車であることを推定。
外観はよくある貨物列車だが、積み荷は玉ねぎ。玉ねぎの一大生産地、北見から本州に向かうという。
玉ねぎは見えないが、物流のリアルがここにある。

貨物な後記

いかがでしたか。

どっぷり、ではないが、軽いノリで乗り鉄や撮り鉄を楽しむ筆者であります。
そんな中、ふと気づくとレッドベアに対する感慨が並々ならぬレベル?
こりゃきっと、筆者は幼いころから変わらぬ「働くクルマ好き」だからかと。レッドベアに漂う、貨車を引くために生まれた働くクルマ感が、筆者を引き付けているのでしょうか。
加えて、本文でも述べた貨物列車のノスタルジー。

トラック輸送の難題を補う形で、ふたたび鉄道輸送に着目という機運もあるそうな。
旭川を行く貨物列車がどんどん長くなればいいな(子供か)と思う筆者であります。

この記事のキュレーター

美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。

・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター

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