中華そば 富いち
塩(750円)
同店には、かなり煮干しに特化した「極太煮干し」というメニューがある(2/18「【エキスがギュッ!】魚介のうまみ濃厚なラーメン3杯」の中で紹介)。
が、もしもこの店に触れてみたい方がいらっしゃったら、まずはこれをお試しいただきたいという思いで、定番メニューの中から「塩」を紹介させていただく。
レンゲの中で黄金色に輝くおつゆ。
軽く口に含んだだけで、ほんのりと香る煮干しの香味を感じ取ることができる。煮干しがスープの旨味をふわりと引き立てていて、思わず二度、三度とすすってしまった。
煮干しはそのままサクサクと食べればほんのり苦いが、丁寧に取った出汁には苦さがなく、その風味は上品とされる。
和食の世界では欠かせない煮干しを、同店ご亭主は見事にラーメンに生かし切ったものとお見受けする。
じっくりとラーメンを賞味するうちに気づいたことには、煮干し出汁がどうのと言う前に、塩の加減が絶妙だ。
いたずらにしょっぱすぎない。だからこその出汁の繊細な風味が伝わるし、麺や具の持ち味をとくと堪能できるんだ。
いつもながら、ご亭主の技量には感心させられる。
お店情報
店名:中華そば 富いち
住所:旭川市新富2条1丁目14-15
電話番号:0166-76-6114
営業時間:11:00~21:00
定休日:火曜
駐車場:あり
門月かかか
メニューの中に、ひときわ興味をそそるラーメンが。
それが「魚だししょう油」だ。
とくと出汁を堪能できそうな期待感に、俄然、食欲が湧く。
魚だししょう油らーめん(850円)
ふわりと鼻に、そして、じわっと舌に喉に訴えかけてくる醤油ダレの香味。それを包んでいるのは出汁の旨味だ。煮干しを主体に深く香る。
いや、深いというよりは複雑というべきか、その味わいの正体を探ろうと、もうひと口、もうひと口とレンゲが止まらない。
また、出汁の印象が残る後味は深く、余韻も長い。
煮干しの風味たっぷりのスープの中から引き上げた麺は、出汁の香味を従えて素材の旨味が膨らむ。
ラーメンを食べる実感って、ここにあるのかな。
ふと、そんなことを思ったりするのは、大概、鮮烈な美味しさに出会った時だ。
お店情報
店名:門月かかか
住所:旭川市大町2条6丁目
電話:0166-85-6879
営業時間:11:00~15:00 / 17:30~20:00
定休日:月曜・第3火曜
駐車場:あり
らーめん よつ葉
濃厚煮干しラーメン/濃厚しょうゆ(900円)
近年、煮干し系の店といったらココ!! と太鼓判の方も多かろう、というのが「よつ葉」。
なんたって、店のセールスポイントが「煮干し」なのである。
それは、メニューを見れば一目瞭然。
以前筆者が初訪問でおったまげたメニュー。
なんとアイテムは「煮干し」のみ。2カテゴリー4品だけ。
もう煮干しで勝負。他はない!! という亭主の潔さは見事としか言いようがない。
今回、紹介するのは「濃厚しょうゆ」。醤油が濃厚なんじゃなく出汁が濃厚という代物だ。
スープをひと口、というか、ほんのちょっと口に含んだだけで、出汁ってこんなに濃く抽出できるのかと、大きく感心。
その口当たりは、煮干しの脂質まで取り込んだのかと思うほどに、まったりとしていてクリーミー。後味まで濃い(笑)
よく、一般的に上品な味を「くどさやしつこさがない」と表現するが、この「濃厚」は、いい意味でくどい(笑)。いい意味でしつこくもあり、煮干し好きを追いかける。
濃厚と名のるからにはこうでなくちゃ、ね。
スープは麺にも思いのほかよく絡み、味がなじむ。
しなやかな細麺の食感、素材身が引き立って、食べるほどに食欲が刺激される思い。
店内では、来る客の多くが「濃厚!!」とオーダー。
やっぱ、ここのお客は分かってらっしゃる。
お店情報
店名:らーめん よつ葉
住所:旭川市豊岡12条6丁目
電話:0166-35-4313
営業時間:11:00~14:30 / 17:30~20:30
定休日:不定休
駐車場:あり
美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。
・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター