駅ナカ食堂 なの花
まちなかの名店をもう一つ。
人気はラーメンややきそば。その味わいは庶民的ながら、ハマるとクセになり通わずにいられなくなる(というヒト多数)。
みそラーメンも然り。近代ラーメンの如き華やかな演出はなくとも、食べる者の心をつかんで離さない。
味噌ラーメン(640円)
菜の花のみそラーメンはこんな感じ。
やっぱ、もやしはお約束でしょうか。白菜やニンジンとともに炒めたもやしが、おつゆに浸って浮きつ沈みつ。散らした白ごまも、特徴的。
ちなみに、センターの唐辛子は筆者がラーメンを受け取る際に自分でかけたもの。
※ここは券売機で入手した食券をカウンターに提示し、その後、料理をカウンターで受け取り自席へ持っていくシステム
出汁の効いたおつゆ。見た目は家庭的なお味噌汁のようだが、その風味は洗練されている。
味噌の香りと穏やかな塩味が、絶妙な加減で相まって、あっさりとした口当たりが気持ち良い。
麺は同店ファンには馴染みある縮れ控えめなつるつる食感。
これが、みそのおつゆと相性ピタリ。優しい味噌風味が、麺の素材味を引き立てるものだから、知らずに食欲が増してくる。うん、麺とスープの、いや、スープと麺かな、バランスが絶妙だ。同店、醤油も旨いけど(筆者は元来醤油党)、此度の「みそ」を機会に改めてこの店の実力を思い知った次第。
前章「一味軒」でも力説した、もやしと挽肉はやっぱ必需品。
旨いみそラーメンにはお約束だね。
お店情報
店名:駅ナカ食堂 なの花
住所:旭川市宮下通8丁目 JR旭川駅構内 1F
電話:0166-24-2552
営業時間:10:00~18:30
定休日:不定休
駐車場:なし
光林坊 どうぶつえん通り店
タイプの似たみそラーメンを二つご紹介したその次は、ちょっとテイストの違う特徴的な品を。
光林坊といえば、まず「みそ」へのこだわりがすごい。何しろ店名に「味噌拉麺」の文字を冠しているほどで、スタンダードな「味噌」をはじめ、メニューは「白味噌」があり、さらには「黒味噌」が。名物「黒味噌生姜」はラーメン通には知られた一品だ。
※支店ごとにメニューに違いあり
黒味噌生姜(900円)
赤味噌?
いえいえ、これが黒味噌を使ったおつゆ。
これに生姜が溶け込んで、その香りはなんとも深い。
黒大豆を使った黒味噌は、材料特有の深いコクと旨味が特徴とか(ネット調べ)。
うんうん、確かにその通り。かつ生姜が加わって、いっそう味わい深い。
口当たりは、濃いというより、ひたすらに豊かだ。
なのに、案外さらっとしているのは、店主の腕の見せどころか。だから、とても食べやすい。
ウマつゆが絡んで、つるつる麺がするすると喉元に流れていく。
前章では、みそラーメンにはひき肉必須と言い切ったが、このおつゆにあっては話は別か。
このラーメンは、やわらかなチャーシューがよく馴染む。
とろとろな脂身が黒味噌生姜に溶け込んで、ラーメンの味わいがいっそうふくよかに。
このチャーシューの存在感、へんに威張ってない感じがとても良い。
みそラーメンにチャーシューって、と思っていたが、いや、これはこれだ。
うまいラーメンというのはよく考えられ工夫されている、ということだよ(都合のいいヤツだな)。
お店情報
店名:光林坊 どうぶつえん通り店
住所:旭川市東旭川北1条1丁目
電話:0166-76-7522
営業時間:11:00~15:00 / 17:00~21:00
※土日祝は11:00〜21:00
定休日:火曜日
駐車場:あり
みそ味な後記
北海道における初のラーメン「みそラーメン」だとか。豚汁に中華麺をぶち込んだのがラーメンのルーツなんて説があるが、まあ、その是非はともかく、道民にとってみそラーメンが身体によく馴染むことは確か(と思う筆者)。
札幌は「みそ」、旭川は「しょうゆ」なんて無理やりなカテゴリーがあるけれど、美味しいものは誰もが好き。
で、いいよね。筆者はやはり辛さ増しで楽しもうと思います。
醤油党と言っておきながら、最後まで都合のいい筆者です(笑)
美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。
・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター