令和6年度 市政方針・教育行政方針(要約)

令和6年度 市政方針・教育行政方針(要約)

2月26日に市議会第1回定例会で行った、令和6年度の市政方針演説と教育行政方針演説の内容を要約して紹介します。


令和6年度 「市政方針」

今年度の実績等

 市民待望のLCC(格安航空会社)の誘致実現、中学生までの医療費無償化、全国初のいじめ防止対策組織構築、除排雪の向上など、様々な公約を実現することができました。

旭川新時代・創造予算

 今年は、本格的にアフターコロナがスタートする一年になります。ニューノーマルといわれるような、個人の価値観も社会の在り方も大きく変わっていく新たな時代において、国内外の潮流をしっかりと見極めながら、本市の持つ課題を真正面から受け止め、その上で旭川の力を最大限発揮し、世界に輝く北海道の拠点都市として、新時代旭川を創造していきます。
 このたび、子育て支援・女性活躍・人材確保などによる「人口減少対策」、中小企業支援・1次産業振興・企業誘致・新規創業などの「地域経済対策」、観光振興・中心市街地活性化・公共交通対策などの「交流人口の拡大」、働き方改革・新庁舎の利便性向上・歳入歳出の見直しなどの「DX(デジタルトランスフォーメーション)・行財政改革」、いじめ
防止・除排雪・防災・減災・感染症対策などの「市民生活の安全安心」を5つの柱として、旭川新時代・創造予算を編成しました。

1 いじめ防止・教育・子育て支援

いじめ防止対策の推進等

 令和3年4月に認定されたいじめ重大事態については、いじめ問題再調査委員会に対して真相解明と再発防止の提言を求め、諮問しています。現在、聴取・検討・提言について、着実に進められてきており、引き続き進捗を見守り、答申を待ちたいと考えています。
 旭川モデルをさらに推進するため、いじめ防止とともに青少年の健全育成にもつながる「いじめ防止・青少年育成サポーター制度(仮称)」を創設し、地域や団体の皆様と共に、子供たちを見守る取組みを進めます。また、これらの取組みについては、基金の創設を検討し、全国からもご支援をいただきながら着実に推進します。
 いじめから児童生徒の生命と尊厳を守り、全ての児童生徒が安心して生活し、学ぶことができる社会の実現を目指し、旭川モデルが全国の自治体で活用可能ないじめ防止の仕組みとなるよう、引き続き取組みを進めます。
 増加傾向にある不登校の児童生徒に対しては、教育支援センター「ゆっくらす」の分室を日章小学校に設置し、ICT(情報通信技術)を活用した支援拠点とするため、専任指導員を増員し、児童生徒の学びの継続と社会的自立に向けた環境を整備します。

市長、教育委員、教育委員会及びいじめ防止対策推進部の職員が出席する総合教育会議

インクルーシブ教育

 小・中学校に看護師2人を含む補助指導員14人を増員し、100人体制とします。
 また、特別支援保育実施施設を増やすための支援を継続するとともに、医療的ケアが日常的に必要な児童へ対応するため、市立神楽保育所や民間の保育所等での受入体制を整えます。
 さらに、医療的ケア児等コーディネーターや医療的ケア児への支援に関する知識・技術を有する看護師を配置し、医療的ケア児等の相談に対応する総合窓口を設けます。

学校などでの暑さ対策等

 子供たちの教育や生活の場の環境改善も重要な課題です。今年の夏までに、冷房が未設置の全市立小・中学校の保健室や多目的教室などにルームエアコンを設置し、全74校の普通教室に簡易クーラーと遮熱カーテンを設置するとともに、先行して22校の普通教室や職員室にルームエアコンを設置する工事に着手します。残り52校への設置についても、令和7年度以降速やかに進めていく計画です。
 加えて、放課後児童クラブや児童センター、市立保育所の事務室を含め、令和6年度に冷房の設置を完了させます。
 物価上昇による家計の負担増が続いていることから、令和5年度に引き続き、学校給食費を令和4年度と同額とし、保護者の負担増とならないよう支援します。

市立大学・短期大学部における取組み

 昨年、ベトナム国家大学ハノイ校日越大学やハロン大学との間で、学生や職員交流などに関わる覚書を締結しました。米国イリノイ州立大学とは、学長に交換留学について提案し、ご理解をいただきました。今後も国内外の大学と連携し、旭川市立大学の価値を高めるとともに学生の教育環境の充実に向けた取組みも進め、令和8年4月の新学部設置に向け必要な支援を行うなど、公立大学法人と連携して取り組みます。

2 デザイン創造都市

国際的会議・イベントの開催

 私はこれまで国内外のデザイン創造都市との連携を深め、あさひかわ創造都市推進協議会の方々とも協力し、デザイン創造都市旭川の存在感を高めてきました。
 こうした関係者が一体となった取組みが実を結び、ドバイやソウルといった名だたる都市との競合に見事勝ち抜き、今年10月に、全世界から49都市の代表が集うユネスコ創造都市ネットワークにおけるデザイン分野のサブネットワーク会議が本市で開催されます。
 この会議は、本市の歴史や文化、自然そして、家具・木工をはじめとするものづくりやデザインに触れていただく絶好のチャンスです。サブネットワーク会議に加え、6月に開催される国際家具デザインコンペティション旭川や旭川デザインウィーク、さらには大阪・関西万博共創プログラムのプレイベントの旭川開催といった国際的イベントを契機として、デザイン創造都市旭川が国際的に高い評価を得てさらに魅力を発信することができるよう、官民が一体となってしっかりと取り組みます。

2/26 令和6年度市政方針演説

デザインシステムの導入

 デザイン創造都市としてのまちづくりを一層進めるため、新たにデザインシステムを導入します。デザインシステムとは、デザイン創造都市にふさわしいデザインと統一感を創り上げ、市民に対しデザイン創造都市としての認識度を高めていくとともに、国内外に向け、デザイン創造都市としてブランディングをしていくための取組みです。
 我が国を代表するデザイナーの下、デザインを作成し、段階的に進めていきます。まずは、市役所の取組みとしてホームページやポスターなどの様々な広報媒体のデザインルールを定め、このルールの下、統一されたデザインの広報物などを制作し、市役所や市内の様々な場所で発信します。

3 除排雪先進都市

 令和6年度の除排雪予算は、労務単価・資材単価の上昇、働き方改革に対応するため、前年度を上回る約36億2千万円を確保します。除排雪作業の安全確保や人材不足の対策として、映像鮮明化装置の増設、積雪センサー・ライブカメラの本格導入などによるDXの推進、官貸除雪車両の増強などに加え、除雪車両の運転免許取得支援金を取得希望者の増加に合わせて拡充します。
 昨年雪対策基本条例を制定しましたが、道路への雪出し行為や違法駐車への対応を強化するため、テレビCMやSNS、広報車、街頭放送などの多様な手法を検討し、効果的な周知・啓発を進めます。

4地区の除雪センターを訪問し激励するとともに、除雪企業や地区除雪連絡協議会の皆様と除排雪状況の確認や意見交換を行いました

 加えて、持続可能な除排雪体制構築のため、北海道と連携し、中心市街地などで、道道・市道の管理区分を交換して効率的に除雪する交換除雪の導入を検討します。
 また、例えば、デジタルツールを活用し、市民の皆様から地域の除排雪状況の写真データを送っていただき、位置や状況を作業中の除雪車両に伝達し、対応する取組み等も検討します。

4 健幸福祉都市

スマートウエルネスあさひかわ

 高齢の方々をはじめ全ての市民の皆様が生き生きと暮らしていけるようスマートウエルネスあさひかわプランを着実に実行して、健康寿命の延伸につながる様々な取組みを進めます。
 4月にリリースする「あさひかわ健幸アプリ」では、毎日の歩数やイベント参加等で健幸ポイントをためていただき、抽選で健康に関する商品や地場産品などが提供される取組みを実施するなど、歩くことをきっかけに、気軽に楽しみながら健幸づくりに取り組めるよう支援します。
 また、ヘルスケア向上のため、市有施設に設置する体組成計を2台増設し、総合体育館には、体水分量や筋肉量等を測定できる高精度の体成分分析装置を設置します。さらに、旭川未来創造ポストに寄せられたご意見を反映し、がん患者の就労や社会参加を支援するため、がん治療に関わるアピアランスケア用品の購入費用を助成します。

地域共生社会の実現等

 地域まるごと支援員を2人増員し、引きこもりや、ごみの処分などの複合的課題を抱える方への個別支援に加え、除雪ボランティアの調整など地域づくり支援を充実します。
 また、民生委員・児童委員の負担軽減と人材確保のため、タブレット端末の配布台数の増加に加え、専用ポータルサイトにAI機能を付加し、活動の効率化を支援します。
 新たに介護職員初任者研修を市の主催により開催し、さらに、研修受講料への補助制度を創設することで、介護人材の確保と支援に取り組みます。また、介護予防活動の支援の充実に当たっては、高齢者の補聴器の購入費用を助成するとともに、介護予防インストラクターの派遣回数を拡充し、高齢者における要介護状態の発生をできる限り抑制します。
 福祉タクシーの利用料金等の助成については、身体障害者手帳の個別等級から総合等級に見直し、精神障害2級の方を対象に加えるなど、対象者を拡充した新たな制度の運用を開始します。

65歳以上の方が対象の「介護予防教室」に参加し、運動プログラムを体験

 全国手話言語市区長会手話劇祭を9月下旬に本市で開催し、手話文化や魅力を広めます。また、開催に向けて、宿泊施設等と連携を図りながら筆談対応など参加者の受入準備を進めます。

5 食・1次産業

持続可能な農業の実現

 担い手の減少・高齢化による労働力不足の解決を図り、持続可能な農業の実現に向けて、スマート農業・省力化技術の導入支援による効率化の促進や販路拡大に対する支援に加え、新たに慣行栽培より高付加価値となる有機農業への転換に対して支援します。また、サツマイモやシャインマスカットなどの新たな可能性を秘めた農作物の導入支援や6次産業化等にも取り組みます。

若手農業者の皆様と意見交換。「強い旭川農業」の実現に向けて取組みを進めます

 有機農業の取組みとして、大阪府泉大津市とオーガニックビレッジ宣言を行います。生産地である本市と消費地との共同宣言は全国初となる試みです。この宣言の下、泉大津市の学校給食への有機米提供、米だけでなく旭川産食材も取り入れた給食の日、グリーンツーリズムの受入れといった取組みを実施します。

フードフォレスト旭川構想

 フードフォレスト旭川構想は、地域に集積する素材の付加価値向上や新たな食の体験を創出することで、料理人や料理研究家、食にまつわる事業者、家具やクラフト職人などを呼び込み、地場の農産物はもとより、旭川で加工される食品や食に関わるサービスの価値向上に取り組むもので、生産から流通、食の提供に至るまでの過程を有機的に連携させる取組みです。
 この具体化に向けては、石川俊祐CDP(チーフデザインプロデューサー)が市内の食産業などを探求した結果を踏まえ、ファーストステップとして朝ごはんを中心とした「朝のあさひかわ」プロジェクトを開始します。まず、朝のあさひかわをブランディングしていくことで、最終的な目標として、新たに「Designed in ASAHIKAWA」として生み出される商品やサービスを国内外に発信して域外から資金を得ることで、地域活性化を目指します。

6 経済・まちづくり

国内外からの誘客を推進

 交流人口や関係人口を増加させることによる地域経済の活性化も進めます。
 昨年12月のジェットスター・ジャパンの就航に続く新規就航路線の獲得に向けて、さらに積極的にプロモーション活動等を展開します。
 今年1月に星野リゾート代表取締役社長の星野佳路さんに市政アドバイザーに就任いただいており、アドバイスをいただきながら、大雪カムイミンタラDMOと連携し、欧米豪からのスキー客誘致に向けた取組みや、日本航空や全日本空輸、エア・ドゥとも連携した情報発信などを通じて、交流人口のさらなる拡大を図ります。

星野リゾート代表取締役社長・星野佳路さんに、市政アドバイザーを委嘱

 これらの取組みを進めるには、旭川空港の人材確保も急務であることから、保安検査業務や地上支援業務に従事する新規採用者を対象にした奨励金制度を、空港が所在している道内の自治体で初めて創設します。
 JR北海道については、今後国から示される予定の支援の方向性等を踏まえ、国や北海道、沿線自治体と連携して路線の維持に向けた取組みを引き続きしっかりと進めます。

まちのにぎわいの創出

 中心市街地の再生に向け、今年度設置された買物公園のあり方検討会議での議論を踏まえ、買物公園エリアの将来像を描いた未来ビジョンが今年3月に策定される予定です。
 この未来ビジョンを実現するための第一歩として、買物公園内に滞在できる空間の設置やモビリティ運行などの社会実験を実施し、その効果検証や本格実装に向けた検討などを進めます。
 また、市民文化会館の建替えについては、今年度中に策定する基本構想の下、基本計画の策定に着手し、検討を進めます。さらに新・道の駅については、今年度に実施したアンケート調査結果を踏まえ、庁内関係部局による協議を行うとともに他都市の事例を調査し、課題の整理や設置の可能性等について検討します。

7 観光・スポーツ・文化

インバウンドへの対応

 コロナ禍では大幅に落ち込んでいたインバウンド需要が回復しつつあり、2月に開催された旭川冬まつりも多くの外国人観光客でにぎわっていました。
 アドベンチャー・トラベルやスノーリゾートなどをはじめ、四季折々の観光資源を生かしたインバウンド需要の増大が見込まれることから、外国人の満足度やリピーター率向上のため、観光施設等でのWi-Fi設置状況の調査や、ウェブサイト、案内表示、飲食店のメニュー、さらには医療提供時等の多言語対応の検討を進めます。

スポーツ環境の充実

 花咲スポーツ公園について、今年度中に策定する再整備基本構想の下、総合体育館の再整備に向けた基本計画の策定に着手するとともに、花咲スポーツ公園全体についても、基本計画の策定に向けて庁内で検討を進めます。また、東光スポーツ公園については、令和12年度までの事業完了を目指します。
 今年開催されるパリオリンピックには、旭川スポーツみらいアンバサダーの北口榛花選手が、陸上女子やり投日本代表に内定しています。北口選手をはじめ旭川ゆかりの選手が出場する際には、市民一丸となって応援していきたいと思っています。
 また、9月に開催予定の旭川ハーフマラソンは、将来のフルマラソン化も視野に、旭川大雪アリーナをスタート・ゴール地点とし、プラタナス並木や北彩都を巡る新コースでリニューアルスタートします。

旭川スポーツみらいアンバサダーの北口榛花さんから世界選手権で使用した「やり」をお借りしました。こちらの「やり」は総合庁舎1階に展示しています。ぜひご覧ください!

文化の振興・姉妹都市との交流

 文化の振興については、旭川ミュージックウィーク2024の開催に加え、市民文化会館が開館50周年、中央図書館と彫刻美術館が開館30周年を迎えるため、それぞれ周年事業を開催し、文化芸術の発信と市民が文化に触れる機会を創出します。
 国際交流については、大韓民国水原市との姉妹都市提携35周年を記念し、水原市での記念行事に、代表団や文化芸術団、市民訪問団等と共に訪問し、交流を深めます。

8 ゼロカーボン

 地球温暖化の影響による気候変動を誰もが自分ごとと捉え、多くの方が日々の生活の中で脱炭素に向けた行動に結び付ける、まさに「1人の100歩より、100人の1歩」の取組みが必要です。
 市民の意識向上を図っていくとともに、「世界に貢献するサステナブルデザイン都市旭川」を目指すための象徴的な取組みとして、旭山動物園においてゼロカーボンZOOの実現をさらに進めます。現在は、園内のせん定枝等を燃料としたペレットストーブの導入等を行っており、令和6年度は、脱炭素に向けた取組み内容を整理します。将来的には、電力の自給自足など、温室効果ガスの排出量と吸収量の均衡が図られた施設として、世界への発信を目指します。
 また、市としても率先して対策を進めるため、総合庁舎の室温を19℃に設定する「ASAHIKA.WARM BIZ」の取組みを継続することに加え、全市立小・中学校の照明のLED化を進めるとともに、公用車に電気自動車を導入します。
 市内中小企業が排出する二酸化炭素量の見える化を支援する補助制度を新設し、省エネルギー化とコストの削減などに向け、産学官金が連携して取り組みます。地域木材を活用した高性能住宅の新築工事に対する補助制度を大幅に拡充し、旭川産材を一定以上活用した場合には使用量に応じて補助額を加算するとともに、子育て世帯または二世帯住宅にはさらに加算することで1戸当たり最大500万円の支援を実施し、ゼロカーボンの推進、子育て支援、経済活性化などにもつなげます。

ゼロカーボンZOOの取組みの一環として、地域エネルギーの循環となるペレットストーブを増設

園内のせん定枝を燃料としたペレット

9 女性活躍・若者・市民参加

女性相談窓口の開設

 女性活躍を推進するためには、女性の抱える様々な悩みや課題に、より積極的に対応していかなければなりません。そのため、特に、本市の女性相談窓口への相談実績が全体の1%未満と少ない20歳未満の女性などにも支援を届けるため、SNSを活用した相談窓口を開設するとともに、旭川未来会議2030の提言を踏まえ、働く女性が抱える多様な悩みや課題に対応し、キャリア形成を実現していくために、対面式での相談窓口や、退勤後にも相談できるよう夜間にオンライン相談窓口を試行で設置するなど、若年層や働く女性がより活躍できる環境づくりを進めます。

未来会議2030女性活躍分野の参加者の皆様と。女性のキャリアの保健室等のご提言をいただき、次年度予算に反映する予定です

若者が活躍できるまちづくり

 若者がとどまるまち、一度市外に出て経験を積んだ若者が戻って来られるまちの一助として、市政アドバイザーの岸 博幸慶應義塾大学大学院教授にご協力いただき、地元の企業、あるいは旭川市立大学などの高等教育機関や産業支援機関とも連携した起業体験プログラムを中学生等に提供するなど、若者たちに地域産業の魅力を伝え、起業やまちづくりへの意識を醸成し、将来的には旭川から第2のグーグルやアップルなど、GAFAのような企業が生まれることを目指します。

10 DX・市役所改革

日本一の窓口、デジタル行政日本一

 4年後に「行かなくてもいい」「行っても簡単」の日本一の窓口を目指すとともに、職員の働き方改革をセットにした庁内DXを推進することで、9年後にデジタル行政日本一を目指し、市民の利便性向上と業務効率化の両面から取り組みます。
 特に、職員の残業時間については、DXの推進などもあり、令和5年4月から12月までの累計で、前年比約1万4千時間の削減となっていますが、令和6年度はさらに時間外勤務の削減を図り、ワークライフバランスの推進に努めます。
 職員がよりクリエイティブな業務に取り組むことができるよう、また、同時に時間外勤務の削減にもつながるよう業務効率化を図るため、専門性が不要で、定型的な作業、いわゆるノンコア業務の外部委託の導入可能性調査を行います。
 先日、若手職員による働きがい改革ワーキンググループの活動報告会に出席し、提言を受けました。引き続き、全ての職員が働きやすい環境づくりを進めます。
 さらに、休止となっていた旭川市史については、デジタルアーカイブの手法により再開します。
 加えて、オンライン予約が可能な市有施設の増加や電子決済の導入により、市民の利便性を向上させます。
 地域のDX推進に向けては、地域情報共有プラットフォーム「あさひかわ くらしのアプリ」を、4月から運用が開始される「あさひかわ健幸アプリ」と連携させ、地域での健幸づくりを推進することで、ダウンロード数の増加を目指します。また町内会等と連携し、高齢者の見守り機能や小・中学生のアイデアをアプリに実装する取組みを進めることで、地域活動の活性化や課題の解決につなげます。

日本一の窓口、デジタル行政日本一を目指す旭川市(左は令和5年11月に開庁した新庁舎、右は65年の役目を終えた旧庁舎)

財源の確保

 財政状況の改善に向けては、DXや外部委託の推進による業務の効率化や職員の時間外勤務の削減に加え、公共施設保有量の最適化や施設の管理運営手法の見直しなど、歳出削減の取組みとともに、財源確保が必要です。
 ふるさと納税については、基準が厳格化された制度改正に的確に対応しながらも、より旭川の魅力を生かした商品の発掘や開発、プロモーションを実施することで令和6年度には寄附額35億円を、令和8年度には寄附額50億円を目指します。
 また、企業版ふるさと納税については、今年1月から旭川信用金庫や旭川青年会議所と連携するなど、寄附見込企業を開拓していくとともに、企業の皆様と事業構築を進め、より多くの寄附を募り、旭川活性化の財源とします。

責任と挑戦

 100年使える庁舎に続く、大規模事業や買物公園の在り方等に関する計画は、まさに「新時代旭川」の象徴となる施策に他なりません。新たなまちづくりの拠点としていくために、市民の皆様や議員各位、さらには、専門家の声を聞き、優先順位を考慮しながら、民間活力の導入や公共事業の平準化を図るなど、公共施設のマネジメントにしっかりと取り組みます。併せて、市税等の自主財源を確保し、財政規律をより確かなものにするため、地域経済の活性化を着実に推進することはもとより、国や道の補助金の積極的な活用や、ふるさと納税の推進、受益者負担適正化の取組み、DXによる業務の効率化を実行し、将来負担の軽減と必要な投資の両立を責任を持って進めます。同時に、アフターコロナへと大きく時代が変わっていく転換点においては、前例にとらわれず、失敗を恐れず、まちの力を信じて挑戦していく気概こそが、未来を切り拓くと確信しています。世界に輝く北海道の拠点都市旭川の未来を想像し、真に持続可能な旭川の礎を創造するため、「旭川新時代・創造予算」を力強く進めていく決意です。

令和6年度 「教育行政方針」

はじめに

 「主体的に学び力強く未来を拓く人づくり」を基本方針とし、教育行政を推進していきます。

基本的な考え方

●学校教育について

 第2期旭川市学校教育基本計画に基づき、3つの重点的な取組みを進めます。
①子どもたちに未来を生き抜く力を育む
 教職員研修会や学校訪問等により、本市の先進校によるICTを活用した実践事例を普及させるとともに、全国学力・学習状況調査の結果分析に基づき、授業改善を進めます。
 また、タブレット端末の持ち帰りを、全ての小・中学校で実施します。
 いじめ防止対策推進条例やいじめ防止基本方針に基づく施策を推進し、市長部局と一体となったいじめ防止対策「旭川モデル」の一層の充実を図る他、人権教育の実施等に努めます。
 不登校については、登校再開や社会的自立に向け、教育支援センター「ゆっくらす」でICTを活用した支援に新たに取り組みます。
 特別支援教育については、教員の専門性のさらなる向上に努めるとともに、補助指導員を増員し、医療的ケアを含めた児童生徒の支援体制の充実を図ります。
 物価上昇による家計の負担増が続いているため、令和5年度に引き続き、学校給食費を令和4年度と同額として保護者の負担増とならないよう支援します。
②子どもたちの学びの環境を整える
 猛暑対策として、令和6年夏までに保健室・多目的室等にエアコンを整備し、令和9年度までに、小・中学校全ての普通教室や職員室へのエアコン整備を目指します。校舎内照明のLED化と防犯カメラの設置については、令和7年度の全小・中学校への整備完了を目指し、順次工事を進めます。
③子どもたちをともに育て豊かな学びをつくる
 休日の中学校部活動の地域連携や地域クラブ活動への移行に向け、部活動指導員の配置拡充を図り、市長部局や各競技団体等と連携した取組みを進めます。
 教職員一人一人が自らの責任の重さを再確認し、不祥事根絶に向け強い危機意識を持って職務の遂行に当たるよう、服務規律の遵守を徹底します。

●社会教育について

 旭川市社会教育基本計画に基づき、5つの重点的な取組みを進めます。
①市民一人一人の主体的な学びの機会の充実
 ジオパーク構想の推進については、体制強化の他、地域資源を題材とした学校向けの講座やツアーを開催し、教育や観光振興につながる事業の充実を図ります。
 開館30周年を迎える彫刻美術館では、彫刻教室の開催や無料開館日により、彫刻に親しむ機会を提供します。
②市民の学びを支える環境の整備
 市民文化会館については、令和5年度に策定する整備基本構想を踏まえ、建替えに向けた基本計画の策定に取り組みます。
 科学館では、新しい技術を体験できる展示「10TOWN(イチマルタウン)」を新たに公開するなど、常設展示の充実に取り組みます。
 公民館では、ICTを活用した事業を実施する他、インターネット環境を整備します。
 開館30周年を迎える中央図書館では、講演会やパネル展示などを実施します。
③地域における学びの循環
 地域学校協働活動では、新たにモデル地域を設定する他、地域と学校をつなぐコーディネーターを発掘、養成します。
④市民の心を豊かにする文化芸術活動の充実
 旭川ミュージックウィークでは、大阪府豊中市との文化交流により、演奏者を招へいします。
 開館50周年を迎える市民文化会館では、記念公演を開催します。
⑤郷土文化の保存・活用と郷土愛の育 成
 博物館では、ヒグマと人、上川盆地の自然と人々の関わりをテーマにした企画展を開催します。
 民間アイヌ文化施設を周知する取組みを行う他、知里幸恵さんを紹介し、アイヌ文化への理解を広げます。
 優佳良織の技術の伝承と普及促進に向け、認知度向上や織子のスキルアップを図るため、市民や観光客向けの織体験の実施を支援します。

むすび

 市長部局や地域社会との連携の下、学校教育部と社会教育部が両輪となり、教育行政を全力で推進していきます。
 全文は市HP「教育行政方針」のページに掲載しています。

市政方針

教育行政方針

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