え??旭川で新型コロナウイルスの抗原検査キットを作ってるの?
そうなんです!
まずそこにびっくりしちゃいますよね。
なぜ旭川で製造することになったのか。
『富士レビオ 旭川工場』の二宮本部長と難波工場長にお話を伺いました!
出典asatan
編集スタッフ(以下『編』)「なぜ今回旭川で新型コロナウイルスの抗原検査キットを製造することになったんですか?」
二宮さん「コロナの流行が始まり、最初は山口県にある宇部工場でキットを製造していたんですが、さらなる増産体制が必要となり、新たな工場を作る場所を探していました。いくつか候補があったなかで長期的な貸し出し・ある程度のスペース・製造に必要なクリーンルームの有無など様々な条件が合致し、東芝ホクト電子 旭川工場さんの一部をお借りすることに決まったんです」
編「そうだったんですね!その間もコロナ患者が増加するなど、キットの需要が高まっていたので急遽場所を探すのは大変だったんではないですか?」
富士レビオで製造している抗原検査キット『エスプライン SARS-CoV-2』
出典:asatan
二宮さん「そうですね。経済産業省なども協力をしてくれまして、なんとか決定することができました。ホクト電子さんは電子部品を作っている企業ということもあり、クリーンルームもありましたし、たまたま工場に空きスペースがあったことなど、本当にタイミングがよかったんですよ。工場の設備や工事など、本来なら完成するまでかなりの時間がかかるんですが、半年で完成に至ることができました。本当にいろんな方や企業との連携があったおかげです」
編「本当に奇跡のタイミングだったんですね!無知で申し訳ないんですが、検査キットには抗原検査や抗体検査などの種類がありますよね?どんな違いがあるんですか?」
『エスプライン』内容物
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二宮さん『簡単に説明すると、抗原検査は今現在体のなかにコロナのウイルスがあるかどうかを調べるもので、抗体検査は過去にコロナに感染をして、体の中にそれに対する抗体があるかどうかを調べるものです。弊社の抗原検査試薬は、全国の病院のほか、成田空港や羽田空港などでの空港検疫でも活用されています』
編「なるほど!そういった違いがあったんですね!早速なんですが工場を見せてもらうことはできますか??」
難波さん「もちろんです。まずは工場の外周と倉庫からお見せしますね」
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二宮さん『こちらのガラス窓なんですが、特殊な構造になっていて今は中が見えない状態なんですが、スイッチひとつで透明になるんです』
編「すごい!全く見えなかった工場の中がハッキリ見えますね!」
二宮さん『そうなんです。ゆくゆくは市内の学生さんなどに工場見学へ来てもらいたいんですが、衛生管理上中に入るのは大変なので、壁に説明のパネルを設置するなどして、ここから見学してもらいたいなと思っています』
編「コロナの検査キットを作っている現場を見られるなんて、本当に貴重な体験ですよね」
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二宮さん「こちらは完成したキットを保管する倉庫なんですが、見ての通りほとんど在庫がない状態です。というのも作ったら作っただけすぐに出荷しているので、ここに溜まることは現状ほとんどないんですよ」
編「それだけ需要が高いってことなんですね」
難波さん「そうなんです。でもこの時期特になんですが、医薬品ということもあり段ボールが濡れないよう、トラックに積み込む際注意を払ったり結構大変なんです。大雪でトラックが遅れたりなど北海道ならではのちょっと予想外な部分でした(笑)」
編「そんな苦労が!大雪の日は特に大変そうですね…。でもそれだけ慎重に扱わないといけない大事な物なんですね」
いざ工場内へ!
完全防備で工場内に入るasatanスタッフ
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難波さん「工場に入る前にこちらを着用してもらいます。着替えが終わったら消毒作業もお願いします」
編「さすがにしっかりした衛生管理ですね。みなさん毎日やられているんですか?」
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難波さん「そうですね。出入りするたびに毎回着替えと消毒を行なっています。クリーンルームもありますからそこは徹底していますね」
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編「ホコリを取って手袋をして…。準備完了しました!」
二宮さん「では中へ入りましょうか」
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二宮さん「ここでは超純水を使った製造を行なっています。医薬品の製造は超純水のような特殊なものを使用し、製造などをしないといけないのが大変な部分ですね」
編「クリーンで衛生管理が徹底しやすいのも、この場所に決めた理由なんですね」
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二宮さん「このような大型の機械も、全て今回新たに導入したものです。ほぼ自動で製造することができるんですが、細かな部分は人の手が必要なので、常に人が管理をしています」
編「人手を集めるのも大変だったんじゃないですか??」
二宮さん「はい。旭川市民の方にも派遣として勤務していただいています。この機械はコロナが落ち着いたあとも、B型肝炎・インフルエンザなどの検査キットを製造することができるので、さらなる雇用を生むことができればいいなと考えています」
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二宮さん「企業秘密な部分が多いので近くでの撮影は出来ませんが、こちらは反応カセットを組み立てる機械を4台設置しています。ぜひ近くで見てみてください」
編「すごい!テレビで見るようにこうゆう機械ってすごい速さで組み立てているんですね。向きも全て機械で調整して最後の梱包まで!」
二宮さん「この工場では1日に4万個のキットを製造しています。このような大型で最新機械の導入ができたからそれだけの個数を製造できているんです。実際にキットでの検査を体験してみますか?」
編「ぜひやってみたいです!」
検査を体験!
今回は疑似体験として、検体は採取せず、操作方法を体験させていただきました!
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まず、キット付属の綿棒を使用し、鼻腔から採取した検体をスクイズチューブ内の液体に浸します。
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検体を採取した部分をスクイズチューブごと、数回揉みます。
このスクイズチューブが絶妙な柔らかさで、試行錯誤を重ね完成したとのこと。
チューブ内に充填されている液状の試薬は帯広の工場で製造する予定で、流通面でも旭川と行き来がしやすくなるんだとか。
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滴下チップをはめ、5分待ちます。
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5分経ったら、反応カセット紫色の検体滴下部に2滴滴下します。
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最後にオレンジ色の凸部を押す!
これで完了です。
あとは30分待つだけ。
ちなみに陽性の場合は30分経たずに反応が出るんだとか。
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検体を採取していないので当然ですが、青の反応が出たので陰性!
なぜか安心しちゃいました(笑)
でも本当に簡単な検査でわかりやすい!
一般の人が操作することはありませんが、使いやすいよう考えて製造されているんですね。
今後この工場はどうなっていくの?
二宮さん「先ほどの話にあったように、コロナが落ち着いた後も様々な検査キットの製造を行なうことができますので、10年、15年先も稼働していきたいと考えています。学生に見学へ来てもらったり、地域貢献も積極的にしていきたいですね」
編「旭川のみならず、全国的に見てもなかなかある場所ではないので、もっと多くの方に知ってもらいたいですね」
二宮さん「そうですね。我々の現場っていうのはあまり表に出ることはないので、今回のことをきっかけに、旭川でこんな重要なものを製造しているということも知ってほしいですね」
企業情報
会社名:富士レビオ株式会社 旭川工場
住所:北海道旭川市南5条通23丁目1975-167
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