そば源の「とろろ」
まずは、ねばとろ系の定番といえば「とろろそば」だろうか。
そのいかにもスタンダードなスタイルのとろろそばを、老舗そばグループ「そば源」の忠和店に見つけた。
とろろそば(800円)
ちょっとアンティークな、そばの小道具たち。
薬味が盛られた小皿はそば猪口の蓋になっていて、猪口にはとろろが。
これは、前作でよく見られた「ぶっかけ」でなく、そば猪口にとろろを入れ、そこにそばつゆを足して、という食べ方。
蓋をとれば、猪口の中にはとろろと、うずらの全卵が。
白地に黄身、まるで目玉焼きの如き。おおっ、これが筆者の期待した、いかにもスタンダードなとろろそば(笑)
お店情報
店名:そば源 忠和店
住所:旭川市忠和5条7丁目
電話:0166-62-0173
営業時間:11:00〜20:00
定休日:不定休
駐車場:あり
せい一の「なめたけおろし」
豊岡の住宅街に佇む、隠れたそばの名店。
こじんまりとした店内は、壁に書が描かれた独特の雰囲気だ。
そうそう、あのミニなのにスゴい「とり天丼」がよく話題に。
なめたけおろしそば(780円)
こちらのねばとろは「なめたけ」。なめこじゃないよ、なめたけ。ご飯のお供としてよく食卓に上がるアレだ。
これが蕎麦にたっぷりと添えられて、まるでカレーライスのように(笑)
なめたけは、えのきを醤油やみりん、砂糖などで煮詰めて作るもの。
ふと思えばそれって、そばつゆの「かえし」じゃないか。蕎麦屋がなめたけを作るのはお手のもの。かつ、美味しいに決まってる。
※なめたけをきっと自家製しているに違いないとの筆者の想像です
なめたけと食べる蕎麦は、なめこにはない馴染みある味わい。ご飯だけじゃなく蕎麦にも合うね。
これに、鬼おろしというのがまた良し。しゃきしゃき食感が鮮烈だ。
ねばとろ系と思いきや、オチとしては結構「さっぱり系」ですかね・・・笑
ともかくは、それらが一緒になって、打ち立て蕎麦の風味を引き立てるものだから、蕎麦好きはもうたまらない。
素晴らしい完成度。
お店情報
店名:幌加内伝承手打ち蕎麦 せい一
住所:旭川市豊岡9条7丁目
電話:0166-85-6868
営業時間:11:00~15:00
定休日:不定休
駐車場:あり
穂の香の「ねばり昆布」
前掲が幌加内そばなら、お次は江丹別そばの登場だ。
旭川を含め近郊では様々な蕎麦が収穫されるので、そういう楽しみ方も一興である。
さて、ここは永山の農産直売店内にある蕎麦屋。いつも賑わっていて結構。
ねばり昆布そば(780円)
穂の香が演出するねばとろは「ねばり昆布」だ。
※舞茸天ぷらはたまたま行った日の日替わりサービス品
細挽きの昆布がてっぺんに添えられ、その下にはなめこやオクラといったお馴染みのねばねばも仲間入りして、かなり楽しめそう。
と思ったら、おーっと、それだけじゃない。
昆布などの下には、とろろ(昆布じゃなく長イモのやつ)が仕込まれていた!
ねばとろへの飽くなき挑戦とでも言おうか、ねばとろ食材の数なら、これまで紹介した中で最高だろう。
ねばとろのカオスと言えなくもないが(笑)、その分、味わいも深かろうと期待も大。
何というか、ねばとろ食材って、それ同士が相性が良い。
この蕎麦をきっかけに、そんなことに気づいた次第。
たとえば、なめこととろろ、オクラと昆布。あるいはなめことオクラ。相互に相性を高める、いわゆるねばとろの相乗効果!この美味しさは、かなり面白い。
そして素朴な風味の蕎麦をいっそう美味しくするという、この展開は楽しすぎる。
お店情報
店名:江丹別そば処 穂の香
住所:旭川市永山2条19丁目農産物直売所あさがお永山店内
電話:0166-48-7530
営業時間:11:00~17:00
定休日:5月~10月 / 無休・11月~4月 / 火曜定休
駐車場:あり
ねばとろ後記
どの店でも、ねばとろ系を食べた後にふと気づくのは、気持ちがとても和んでいるということ。
筆者を虜にするねばとろの魅力はまさにこれかも。
食が落ちてくる暑い時期となりました。
前作でも、ねばとろは体に良いとか申しましたが、まずは美味しく食欲増進。これが肝心ですね。
美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。
・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター