おすすめ【冷やしたぬき】3杯 食のウンチク付き

おすすめ【冷やしたぬき】3杯 食のウンチク付き

そば屋の定番といえば「天ぷらそば」ですが、その副産物「天かす」を使った「たぬきそば」も、これまたそば屋の定番。実は、天かすが大好きという筆者。天かすがあれば蕎麦は要らない、は冗談として、特に冷やしたぬきの旨さには魅了されるばかり。な筆者の、日頃の食べ歩きで印象に残った3杯をご紹介。


信濃路

冷し狸(680円)

こんもりと盛った天かすに海苔というシンプルな一杯。
また、田舎蕎麦の風情を演出する器も良い。

ところで、品書きを見て、おやっ?
「たぬき」に漢字を使っているのって、けっこう珍しいかも。

ちょっと無骨な天かす。何気に「おかき」を思わせる分、その香ばしさがきっと、田舎蕎麦の素朴な風味と合うだろうことを期待させる。
というか、自分で撮った画像を改めて見返してみれば、野趣ある太麺と並んで見栄えが良い。どうりで食欲をそそるはず。

弾力のある太麺をたぐり、肺活量を総動員してすすり込む。
うんうん、麺と天かすは期待通りの相性だ。濃いめのツユを吸った天かすが、またいっそうコクをまして蕎麦の風味を引き立てる。

いやはや、食べ応えも満点。信濃路の味をとくと堪能させていただいた。

お店情報

店名:信濃路
住所:旭川市金星町1丁目
電話:0166-22-9263
営業時間:11:00~19:00
定休日:不定休
駐車場:あり

ところで、たぬきそばの「たぬき」って?

前掲、信濃路のメニューが「狸」となっていたが、無論、タヌキの肉が使われている訳ではない。あるいは狸がそばに化けているふうでもない(しつこいぞ)。

ではなぜ「たぬき」?

諸説あるが、まずは江戸時代の「狸汁」説。
当時は本当に狸肉が食用とされていた。牛蒡などと煮るものなのだが、今では狸に代わりコンニャクが使われ、その伝統は受け継がれている(ホントの話)。
で、かけそばに天かすを浸してみたら、狸汁みたいだな、ということで狸そばと呼ばれるようになったとか(これは推測)。

もう一つ、よく言われるのが「たね抜き」説。
そばにトッピングされる天ぷらや肉類などは「たね」と呼ばれる(ホントの話)。それらを盛らずに天かすだけを載せたのが、たねを抜いたそば「たねぬきそば」。これが変化して「たぬき」になったとか。
でも、天かすのってんじゃん?
もっともな疑問だが、天かすは捨てるもの、価値のないものなので「たね」にあらず、なんだとさ。
ちょっと無理あるけど、分からなくもない(笑)

蛇足だが、江戸前でいうところの正統たぬきそばは具とともに餡かけになったものをいうそうな。
ちなみに、旭川では「はま長本店」がこれを出す。あの店はけっこうお江戸っぽいからね。他のはま長に関しては申し訳ないが、筆者は未確認。

そば処 名人傍

冷やしたぬきそば(650円)

見映えから察するに、天かすは控えめながら、海苔の香りとかまぼこの旨味を加え、たぬき(天かす)の味わいを完成させようという魂胆か。
実に結構。老舗ならではの演出と思う。

そばにかまぼこって、よくある話だし、実際よく合ってうまい。
それに、赤色がほんのりと華を添えて食欲を誘うしね。

お店情報

店名:そば処 名人傍
住所:旭川市1条通8丁目
電話:0166-23-1929
営業時間:11:00~19:30
定休日:日曜日
駐車場:あり(カーレストと提携)

はま長 本店

少しおつゆがしみてきて、天かすは自らの香味を高める。
それを絡めて食すコシのあるしこしこ麺は、うまさが膨らんで快感。天かすのコクが相まって喉越しがまろやかに感じられて、実に味わい深い。

磯あられ(792円)

前章の「たぬき」って? で、はま長本店には正統たぬきそばがあると書いたが、「天かす」に特化した本記事の趣旨に合わせると、それに相当するのはこのメニュー「磯あられ」だ。ちなみに「温 or 冷」を選択できる。

このメニューは筆者もお気に入りで、しばしば訪問する中でリピート率が高い。

何たって、天かすが香ばしくて良い。
天ぷらの旨い店であるなら、従って天かすも美味しいというのは世の定説。

また、たっぷりと寄り添う刻み海苔の香りも良い仕事をしている。
ふと思えば、たぬきそばには大概、海苔が添えられているが、ふむふむ、そういうことか。

そしてまた、穏やかな食べ応えの更科に何とよく合うこと。
蕎麦の香りを天かすがふくよかに引き立てている。
また、きりっと出汁の効いたつゆがこれらを見事にまとめ上げている。今さらスゴイ!!と書き立てることでもないのだが、いつ何を食べても、揺るぎのない、隙のない旨さはさすが老舗。やっぱスゴイ。今さらですが(笑)

お店情報

店名:はま長本店
住所:旭川市3条通6丁目
電話:0166-22-2731
営業時間:11:00~翌1:30
定休日:日曜
駐車場:なし

たぬきな後記

いかがでしたか。

たぬきそばは、大概のお店では温かい、冷たいの食べ方が選べますが、今回は筆者のこだわりとして、そばの旨味がより分かりやすい「冷やし」でご紹介しました。

秋となりましたが、日中はまだまだお日様に暑さを感じる日も。
そんな時は、さっぱり冷たい「たぬき」はいかが。
あ、天かすだけに、ちょっとはこってりしてますが(笑)

この記事のキュレーター

美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。

・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター

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