緑町近況
市中心部から向かうと、四条通を行き旭西橋を渡ったところが緑町だ。道道嵐山線を中心に旭川新道まで小売店や飲食店がずらりと立ち並ぶ。
これの、12丁目辺りを独自にマップにしてみた。
赤いマークがラーメン専門店。
緑町12丁目内に、かつ、半径100メートルに満たない距離の中、ラーメン専門店が4軒ある。近隣のつけ麺店(一部ラーメンも取扱)を含めると5軒。何たるラーメン店密度。これは激戦区と呼ぶに十分。
永山の「ラーメン村」は別として、こんなに同業種が軒を連ねる状況は珍しいのでは?と筆者は着目した次第。
本編では専門店4軒の様子を紹介する。
らーめん山家 旭川店
滝川を拠点に札幌にも店舗を展開しているそう。
独特の風合いな外観から、中に入るとウッディーなムードとともに、とんこつが香る。
ラーメンは定番ととんこつの二刀流。
メニューには平打ち手もみ麺(数量限定)なんてのもあって、独自のこだわりが反映されている。
醤油(800円)
味の一例として「醤油」を紹介しよう。
薄濁りのおつゆを覆うたっぷりな脂。昔ながらの手法に、何気にノスタルジーを感じる。
その脂はあつあつで、まったりと口にからむ。
おつゆは醤油ダレが素朴に香る、昭和育ちには馴染みある昔風の味わいだ。
麺はまっすぐで極めて細い。すすれば、これに脂がおつゆの香味を伴って絡み、まろやかな旨さを演出する。
何せあつあつ。最後まであつあつな、いかにも北国仕様。
今どきの旭川においては、ある意味希少で貴重なスタイルかも。
お店情報
店名:らーめん山家 旭川店
住所:旭川市緑町12丁目
電話:0166-52-2144
営業時間:11:30~19:30(日曜13:30)
定休日:月曜
駐車場:あり
らーめん八海 惜しくも9月閉店
9月24日閉店と告知があった。
非常に残念である。
醤油党の筆者は、ここの味が性に合うと、とても気に入っていた。
先代はカメラがご趣味で、同じ筆者はカウンター越しに撮影の話題などやりとりさせて頂いたものだ。
醤油ラーメン(850円)
醤油ラーメンを紹介しよ・・・
あれれ?そういえば、ここでも辛味噌ラーメンを食べているが、筆者の辛味噌特集に載せ忘れている!? 何たることだ。
で、醤油ラーメンは、いかにもベーシックな盛り付け。であるが、ネギの切り方など細かなところにこだわりを感じる。
コクのあるおつゆ。まず出汁が洗練されていて、これに醤油ダレが何とも良い加減だ。
口当たり、喉越しともにスマートなツルシコ麺。
ひとくちのおつゆから、のど元を通り過ぎる麺まで、スムーズにまとまりのある一杯である。
筆者が思う、平成に成熟した醤油のスタンダードというべき味わい。
が、
惜しくも、この9月24日で八海は閉店する。
お店情報
店名:らーめん八海
住所:旭川市緑町12丁目
電話:0166-55-8880
営業時間:11:00~14:30 / 17:00~19:30
定休日:火曜日
駐車場:あり
みそラーメン専門 山崎商店
もうキャッチフレーズからして、何て分かり易い店(笑)
はたして醤油ラーメンとかあるのかなと思いきや、ホントにみそラーメンのみ。
この潔さはあっぱれとしか言いようがない。
で、味噌が選べるという、さすが専門店。
以前は「赤」、「白」、「合わせ」を週替わりで提供していたが、現在は「赤」か「白」を選べるようになっている。
辛ネギ赤みそ(1,150円)
特徴的な店の、さらに特徴的なメニューがこれ。
なんとも見事なネギっぷりである。
ここまでやれば、ネギ好きも文句はないだろう。
まろやかな出汁と相まって、味噌の香味が鮮烈。
味噌の当たりは強め。濃い、というよりは、しっかり、じっくりと身体にしみてくる感じだ。
さすが味噌をよく生かしている。
ネギの下にはもやしが。
みそラーメンにはもやしだよねえ。もやしがないと絶対に物足りない筆者である。
みそラーメンには、つるっ&もちっとした麺がお似合いだ(筆者の感想)。
味噌のおつゆが絡んだ麺が旨し、というか、麺の素材味が味噌の旨味を引き立てている、という感じがして実に良い。
お店情報
店名:みそラーメン専門 山崎商店
住所:旭川市緑町12丁目
電話番号:0166-55-0000
営業時間: 11:30~15:00 / 17:00~20:00
定休日:火曜
駐車場:あり
こぐまグループ旭川ラーメン近文店
ここも緑町12丁目である。
昭和育ちの人間には馴染みある熊系ラーメン。
ここであれこれ語るより、ぜひ読んで頂きたい記事があります。
以前にも詳しく述べているので、下記をご覧いただければと思います。
食べ歩き後記
いかがでしたか。
まず、総じて4店はまるでかぶっていないですよね。
それぞれに個性があり、独自の味わいを打ち出している点。タイトルで激戦区と表現したが、これはもう競うというより共存と見た筆者であります。
どこが一番美味しいの?ではなく、自分に合いそうな店はどこだろう。当記事は、そんな感じでお付き合いいただければと思います。
美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。
・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター