志野・黄瀬戸・黒織部を再興した三絶—美濃・瀬戸の美を極めた巨匠たち

志野・黄瀬戸・黒織部を再興した三絶—美濃・瀬戸の美を極めた巨匠たち

旭川に住む美術品・骨董品マニアの私が、有名作家を世に広めるため、詳しくご紹介します!また、お宝をお持ちの方におすすめの買取り店もご紹介。


昭和の日本陶芸界を代表する巨匠【加藤唐九郎】

#加藤唐九郎#陶磁器

加藤唐九郎(1897–1985)は、昭和の日本陶芸界を代表する巨匠であり、「陶芸界の怪物」と称された陶芸家・陶磁史研究家です。

愛知県瀬戸の窯業家に生まれ、10代で作陶をスタート。20代からは瀬戸や美濃の古窯跡を熱心に発掘調査し、志野・黄瀬戸・織部といった桃山陶の復元研究で極めて高い成果を上げました。
一方で、その生涯は波乱に満ちたものでした。1933年には著書『黄瀬戸』で「瀬戸焼の開祖」とされた人物の実在性を否定し、起源は美濃であると主張したため、地元住民の強い反感を買って自宅が襲撃される騒動に発展します。
その後、織部焼の技術によって国の無形文化財に選ばれ名声を確立するものの、1960年に陶芸史に残る大事件が勃発します。「永仁の壺事件」と呼ばれるこの騒動は、鎌倉時代の傑作として国の重要文化財に指定されていた古瀬戸の壺が、実は唐九郎自身が大正時代に作っていた模作(偽作)だったと発覚したものでした。これにより公職を辞任し、無形文化財の資格も取り消される事態となります。

しかし、失意の中でも彼の情熱が尽きることはありませんでした。公職を退いた後は「一無斎」と号し、伝統の枠にとらわれない豪放で野性味あふれる作陶に没頭。代表作である鼠志野茶碗『鬼ヶ島』に象徴されるような、重厚で力強い造形美を極めるとともに、大規模な「陶壁」の制作や『原色陶器大辞典』などの精力的な著作活動を通して、独自の地位と評価を不動のものにしました。

現在の加藤唐九郎作品の買取り額は数十万円~数百万円

昭和から平成にかけて活躍した日本陶芸界の異彩【岡部嶺男】

#岡部嶺男#陶磁器

岡部嶺男(おかべ みねお、1919–1990)は、昭和から平成にかけて活躍した日本陶芸界の異彩であり、特に「青瓷(せいじ)」の分野において前人未到の境地を切り開いた陶芸家です。

巨匠・加藤唐九郎の長男として生まれながらも、父の圧倒的な陰影から脱却し、独自の造形美と技法を確立しました。 愛知県瀬戸市に生まれた嶺男は、若くして父・唐九郎の助手として古窯発掘や復元研究を支え、陶芸の基礎と深い知識を身につけました。しかし、父の強い影響力と作風に対して自らの表現を模索し、独立した作陶活動へ向かいます。戦後、日本伝統工芸展や日展などで頭角を現すと、織部焼の再解釈や志野、灰釉(はいゆう)など多岐にわたる技法で作品を発表しました。

彼の陶芸家としての評価を不動のものとしたのが、1960年代以降に本格化させた「青瓷」の研究と制作です。中国宋代の官窯青瓷(かんようせいじ)を深く研究しながらも単なる模倣に終わらせず、貫入(かんにゅう:釉薬のヒビ割れ)の重なりや、厚釉(あつゆう)がもたらす深遠な質感、荒々しくも研ぎ澄まされた器形を融合させました。

この「嶺男青瓷」と呼ばれる作品群は、青瓷本来の優美さに野性味と生命力を吹き込んだものとして、内外から高い絶賛を受けました。 1960年に起きた「永仁の壺事件」では父・唐九郎との確執や騒動に巻き込まれる形となりましたが、公的な賞や人間国宝の打診を辞退し、生涯にわたりいかなる派閥にも属さない孤高の姿勢を貫きました。妥協を許さない厳格な作陶精神から生み出された作品は、今なお日本の近代陶芸における最高峰の一つとして高く評価されています。

現在の岡部嶺男作品の買取り額は数十万円~数百万円

桃山時代の「志野焼」や「瀬戸黒」の技法を現代に見事に復元・再興させた【荒川豊蔵】

#荒川豊蔵#陶磁器

荒川豊蔵(あらかわ とよぞう、1894–1985)は、昭和を代表する陶芸家であり、途絶えていた桃山時代の「志野焼」や「瀬戸黒」の技法を現代に見事に復元・再興させた巨匠です。1955年には「志野」と「瀬戸黒」の2つの重要無形文化財保持者(人間国宝)に同時に認定され、後に文化勲章を受章しました。

岐阜県可児郡(現・可児市)に生まれた豊蔵は、当初は名古屋で画商や美術に関する仕事をしていました。転機となったのは1927年、画家・陶芸家であった北大路魯山人の星岡窯に招かれ、窯場主任として作陶の指導や管理を任されたことです。

豊蔵の名を陶芸史に刻みつける最大の出来事は、1930年に起きました。当時、志野焼や織部焼などの桃山陶は愛知県の瀬戸で作られたと考えられていました。しかし、可児市の牟田洞(むたどう)古窯跡を発見した豊蔵は、そこで志野竹の筍(たけのこ)文様が描かれた志野茶碗の破片を発見します。これが「志野焼は美濃(岐阜県)で焼かれていた」という歴史的決定打となり、日本陶芸史の常識を覆す大発見となりました。

この発見を機に豊蔵は魯山人のもとを離れ、発見の地である大萱(おおがや)に穴窯を築いて移り住みました。電気も水道もない山中で古窯跡の土や原料を探し出し、古窯の構造や焼き方を独自に研究・実践することで、幻となっていた桃山志野のやわらかな白色と紅色の発色(緋色)、豊かな長石釉の味わいを鮮やかに再現することに成功しました。


豊蔵の作風は、単なる古典の模倣にとどまらず、自然体でどこか温かみのある風格を備えているのが特徴です。志野のほかにも、高熱の窯から引き出して急冷させる「瀬戸黒(引き出し黒)」や「黄瀬戸」「唐津」など多彩な意匠を手掛け、茶道具を中心に気品高い作品を残しました。生涯を通じて美濃の自然を愛し、古陶の美を追求し続けたその姿勢は、今なお近代陶芸の金字塔として語り継がれています。

現在の荒川豊蔵作品の買取り額は数十万円~数百万円

お宝をお持ちの方は本郷美術骨董館札幌時計台店まで!

北海道・青森県・岩手県・秋田県にある、
加藤唐九郎・岡部嶺男・荒川豊蔵作品の買取は本郷美術骨董館札幌時計台店へ

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