File No. 11 配管工
水道やガス、空調などの配管を施工します。管を切断するなどして加工し、「継手」で接続、附属品を取り付けます。図面を立体的に把握する能力が大切です。
暮らしを支え、水道管と技術をつなぐ
■Q 仕事を始めたきっかけや内容は?
体を動かす仕事が好きで、高校卒業後は稚内市で5年ほど建設業に携わり、旭川市に移るタイミングで転職しました。道路を1m以上掘って中に入り、水道管を新設したり、劣化した管を取り替えたりします。現場に即した「配管図」を描く仕事もあります。未経験だったので、難しそうなイメージを持ってこの仕事を始めましたが、現場で丁寧に指導してもらい安心しました。
■Q 苦労するのはどんな場面ですか?
水道管同士を確実につなげる際に万全の注意を払います。特に、近年導入が進むポリエチレン管は比較的しなやかですが、鋳鉄管は硬いためシビアです。感覚的には1mm単位での正確さが必要で、切断前に何度も寸法を確かめます。また、接続に使う部材は50kg近くある物もあり、体力を使います。雨天時や冬場は、雨や雪が管に当たらないように対策します。
■Q インフラを支えるやりがいは?
水道管の老朽化と更新は今、各地で大きな課題になっています。生活に欠かせない水道水を安定的に届ける上で、配管工の役割は大きいですね。水道水は口に入るもの。水質や安全性に関わるので、絶対にミスは許されません。市民の皆さんへの影響を減らすため、夜に断水して工事をすることも多く、暗い中で時間に追われるという緊張感もあります。
■Q 技術の継承が課題だと聞きます
水道管工事に携わる社内の班では、30歳の私は2番目の若手になります。よく「お前がエースだぞ」と激励されています。入社以降、常にベテラン職人がそばに付いてくれました。昔なら「俺がやるから」と自分でやってしまう職人もいたかもしれませんが、今の上司は「やってみなさい」と失敗を恐れず挑戦させてくれ、幅広い経験ができます。現場によっては古い時代の管や部材も使われているため、ベテラン職人の存在が欠かせません。私も熟練の技や仕事の進め方、経験を吸収し、次の世代につないでいけたらと思います。
配管工 横野史暁さん
利尻富士町出身。社会人経験を経て、令和3年12月に、ガス管・水道管工事を請け負う「旭川ガス管工事」に入社。
Check!! 配管工になるには
職場か職業訓練校で技能を習得するケースが一般的です。国家資格に「配管技能士」や「給水装置工事主任技術者」があります。札幌高等技術専門学院で学べる他、ポリテクセンター旭川でも技術者を輩出。