函館本線 近文駅
旭川駅を出発し、1つめの駅がここ。
きんぶん、ではない。「ちかぶみ」と読む。ちなみにアイヌ語由来の地名。
Photo:KOTA
おっと、お目当てはこの駅舎じゃない。
ホームにある待合室がモチーフだ。
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まるで外国の建物のような、何ともアンティークな趣き。一説によると、明治時代からあるとか。
同駅の歴史は古く、開業は明治時代。
当時の旭川は陸軍第七師団が駐屯する軍都として栄え、随所に軍関係の施設があったそうな。
当時は洋風な建築様式を取り入れたものが多く、旧偕行社(現彫刻美術館)もその一つ。
同駅から七師団への支線もあったことから、この待合室の雰囲気もその影響を受けたのかな、なんて想像が膨らむ。
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鉄道に特化しなくても、とにかく絵になる建物。
さて、どうやって撮ろうか。
▼冬だっていい絵になる
Photo:KOTA
だからといって侘びた感じに撮るというのもありきたりかな(笑)
▼ということで、高速で通り過ぎる特急カムイを入れて。
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SPOT DATA
名称:JR函館本線 近文駅
住所:旭川市近文町20丁目
JR函館本線 伊納駅
「いのう」駅。
前掲の近文駅からさらに1駅進むと伊能だ。
実はここ、鉄道マニア垂涎のスポットでもある。
まず秘境ムードいっぱいの空気感。
そこに無機質な構造物の数々が圧倒的な存在感を放つ。
▼そこに佇むダルマ駅(左)。駅といっても待合室としての機能のみ。
以前はもっとキレイだったが、老朽化によりいい意味で古くて味がある。
階段(右)を進むと上り線ホームがあり、跨線橋(右上)は下りホームへとつながる。
2面2線と、実は秘境駅なんて呼べない立派な駅なのだ。
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ちなみにダルマ駅とは貨物用の貨車を改造したもの。車輪がないことから手足のないダルマに例えられた。
道内にダルマ駅は多いが、その中では状態がとても良い方か。
ストーブ設置(煙突がかわいい)されたり、出入りしやすいようステップが施されるなど、なかなか手が込んでいる。
※現在ストーブは撤去
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▼停車するキハ54形
函館本線ゆえ列車の往来はけっこうある。同駅の乗降は極めて少ないわりには、スルーされない。
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▼ 恥ずかしながら、筆者お気に入りの1カット。
大雪の中でも駅はしっかり守られ地域とともに生きている、の図。
たくましいな、というか、さすがJR。市内のバス停なんぞ除雪もされない(笑)
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SPOT DATA
名称:JR函館本線 伊納駅
住所:旭川市江丹別町春日
石北本線 北日ノ出駅
ところは変わって石北本線。
旭川発、東旭川の次の駅。20分弱で北日ノ出に着く。
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駅名に「北」とあるが、ちなみに南日ノ出や西日ノ出駅はない。
そんなことより、ないじゃん、駅舎。
と思いきや、振り向けばそこに・・・
あれか? ちょっと離れてるけど。
そこはどこ?畑?
中を確認してみる。
言っとくが、コワいもの見たさのネタじゃないからね。
でも、そんな展開になってくる(笑)
Photo:KOTA
内部。
おおっ、路線図や時刻表がある。
まぎれもなく待合室だ。
鉄道がらみの何かのポスターもある。なんか知らんが頑張れって気になる。
中はキレイだし、ベンチになにか敷いてあるし、使われてるってことは分かる。
それより、良いお酒 花の友って書いてあると思うが、花の友って何だろう。
呑兵衛としてはそっちの方が気になる。
昔のベンチといえばふつう男山だろう。
さすが歴史ある東旭川。独自の文化が感じられる。
Photo:KOTA
それにしても立派。なんたってブロック造だ。
そして、駅名を蛍光灯がほのかに照らすのだろう。昔々まわりが畑ばかりだった頃、遠くからもぽつんと見えるこの駅が、人のこころを癒した・・・
なんて話が想像てきる。
ところで、その駅名の部分。
▼ずいぶんと塗り直し(書き直し)が
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この看板からして、なんとも言えぬ味がある。
どうでもいいことかもしれないが、もとは「北日の出」と書かれていた。それを「の」の字のぐるっと丸い部分を白で消して「ノ」にしたようだ。
自治体が示す正しい文字「東旭川町日ノ出」に合わせたのか。地名の文字が違うと地域の子どもらの教育に悪いでしょ、とか不都合が生じたか(個人の推測)。
と、謎を残しつつ、こだわりの1枚。
われ黙々と時を重ねつつ存在せり、の図。
Photo:KOTA
最寄りの道からホームに向かって、ブロックによる歩道が取り付けられている。
下り4本、上り6本(うち1本は休日運休)と利用の少ない中、なんだか、とても大切にされてるな、と思うのだった。
SPOT DATA
名称:JR 北日ノ出駅
住所:旭川市東旭川町日ノ出
撮影にあたって
撮影をする際は、筆者も含め、夢中になりルールやマナーを逸脱しないよう注意したいもの。
ルール違反は、すなわち不法侵入・器物破損・鉄道営業法違反・威力業務妨害となり得る。絶対に侵してはならない。
お互い、気をつけましょうね。
美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。
・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター