明地信之『エゾユキウサギ』
出典:asatan
初めに紹介するのは、彫刻美術館前の春光園内にある彫刻。
高さ2mの作品で、北海道に生息する『エゾユキウサギ』が雪の上を走る姿が描かれています。
こちらを手掛けた明地信之さんは、これま「”石で作られた動物」の彫刻を数多く作ってきました。
石が持つ色・形を生かしつつも、生き物の躍動感あふれる姿を見事に表現した作品はどれも人気。国内各地のパブリックスペースに様々な動物の彫刻が設置されています。
出典:asatan
明地さんは「設置場所と作品の調和」をイメージして制作活動をしているそう。その生き物が元々住んでいる環境のことまでしっかりと考え、まるで本物の動物がいるかのような空間のリアリティを追究しているんです。
一例ですが、【アフリカの動物をモチーフにした作品はアフリカを感じさせる場所に】、【水生生物をテーマにした彫刻は実際に水のなかに】設置されています。
今回紹介した『エゾユキウサギ』。【2mという高い位置】に置かれている理由ですが、旭川は積雪量が多い地域ですよね。冬になればこの作品の一部(あるいはほとんど)が雪に埋まり、実際にウサギが雪原を走っている姿になる、という作者の計算があったのかと考えられます。
季節を変えて作品がどのように姿を変えるのか、これも野外彫刻鑑賞の楽しみのひとつだと教えられる作品です。
【作品情報】
『エゾユキウサギ』 明地信之
2018 白花崗岩 200×90×40
春光園内(旭川市春光5条7丁目4)
高橋清『親和』
出典:asatan
こちらの彫刻、もともとは旭川市役所と市民文化会館の間の広場に設置されていました。しかし、庁舎の建て替えに伴って、彫刻美術館近くの【春光園へと移動】されたようです。
撮影した際には三角コーンが置かれていましたが、おそらくこれは、子どもたちが登らないように注意喚起することが目的でしょう。
こちらの『親和』の作者は、高橋清さんという方。永遠の存在を感じさせる石に、人間のあり方や祈りを反映させた作品を多く手掛けたことで知られます。
「野外彫刻を紹介する記事のパート3」で紹介した『人』同様に、『親和』もシリーズ的に数作品が制作されており、国内数ヵ所に同名の作品が見られます。
、彼のた、のその時は『人 No.13』という彫刻でしたが、今回は『親和』というタイトル。こちらの『人』同様、『親和』もシリーズ化されているタイトルで、国内各地に、様々な姿の『親和』が置かれています。
抽象的な形の作品ですが、丸みを帯びることで柔らかな優しさと、人と人が寄り添い、心を通わせている様子を感じることができます。
【作品情報】
『親和』 高橋清
1974 白御影石 340×225×55
春光園内(旭川市春光5条7丁目4)
山谷圭司『重さのロンド』
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続いて紹介するのは、井上靖通り(附属旭川中学校横の通り)にある作品。
作者・山谷圭司さんの彫刻には、【石(岩)のゴツゴツとした質感】をそのままに生かし、紐でつるす・スライスする・積み上げるなどの【人の手を加えた作品】が多く見られます。
「展示空間の自然」・「素材の風合い」・「人の技術」の3つが加わった作品は原始的でありがながら、知的な印象を与えます。
『重さのロンド』は綱引きをしているようなたたずまい。【石の力強さと愛らしさ】が垣間見える作品。
”ロンド”というタイトルから、石同士が仲良く踊っているようにも感じられます。
【作品情報】
『重さのロンド』 山谷圭司
1994 御影石・ステンレス 250×500×500
井上靖通り(旭川市春光4条2丁目1)
おわりに
今回は春光エリアに設置されている、3つの彫刻を紹介しました。
【彫刻のまち】とも呼ばれる旭川。公園や街中など様々な場所に彫刻が設置されていますから、散歩のついでなどに、足を止めてじっくりと見てみるのも面白いと思いますよ♪
Part.1~4はコチラ!↓
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