甘酒温活のススメ
「飲む点滴」と注目されている甘酒。ビタミンが豊富なこと、ヒトが摂取すべき必須アミノ酸が多く含まれていることがその理由。加えて、主原料の麹(こうじ)は発酵食品であり、腸内環境を整える働きも期待できます。
ですから、近年注目されている「温活」にも甘酒は好適のよう。温活は身体を温めて基礎体温を上げ、身体の調子を整えることを言いますが、甘酒には身体を温めるだけでなく、保温持続効果があるとされているからです。
寒い時期は何よりその温かな美味しさが魅力。温活は気軽に楽しみながら、続けたいものですね。
酒粕が買える酒蔵
■ところで酒粕ってナニ?
酒粕とは、酒のもととなる「もろみ」(発酵した麹や米)から水分(酒)をしぼり出した後に残る固形物のこと。当然ながら、旭川市内にある酒蔵でも酒を造っているので、酒粕が出ます。市内の男山、高砂酒造では自社内の売店でこれを販売しているという訳。
■男山「酒造り資料館売店」
酒を造る工場に併設された「酒造り資料館売店」です。
ここでしか買えない同社の酒もあり、観光客や男山ファンに人気。
新酒の仕込みに合わせ、1月11日より酒粕の販売が始まりました。
発売日を待って筆者が購入したのは、この「新酒板粕」500g(500円)。
酒粕にも種類がある中、これは板状なので「板粕」と呼ばれるもの。機械でもろみを圧縮すると、このようなカタチの粕になるそうな。
※昨年の画像です
こちらは1月14日発売予定「復古酒の搾り酒粕」400g(600円)。
復古酒とは濃厚甘口タイプの同社ブランド。そんな酒ですから、酒粕も他とはひと味違う香味。
SPOT DATA
男山 酒造り資料館
住所/旭川市永山2条7丁目
電話/0166-47-7080
開館時間/9:00~17:00
休館日/年末年始
■高砂酒造 明治酒蔵
こちらも、ショップ限定の品を始めとする同社ブランド品がずらりと販売される人気スポット。
酒粕ももちろんあります。
これは昨年12月に発売された「新酒バラ粕」1kg(540円)。
以降で紹介する甘酒はこの酒粕で作っています。
バラ粕とは、文字通りバラバラになった粕のこと。本来は前掲の板粕のように板状なのですが、低温発酵などで粕が柔らかいと板状のまま製品化することは難しく、このような状態で商品に。
こちらは彗星(すいせい)という酒米を使った「大吟醸酒粕」800g(864円)。
彗星を使った酒はすっきりとキレのある味わいになるとされ、加えて大吟醸となれば香りも華やか。その酒粕ですからすっきりとした香味が期待できますね。
また、2月下旬には同社のフラッグシップ「旭神威」の酒粕が販売されるそうです。これは筆者もまだ買ったことがないのですが(ぼんやりしてると売り切れる)、今年は逃さず手に入れようと思っています。
SPOT DATA
高砂酒造 明治酒蔵(直売店)
住所/旭川市宮下通17丁目
電話/0166-22-7480
開館時間/9:00~17:30
休館日/年末年始
甘酒の作り方
鍋に水と酒粕を入れて火にかけ、温めながらよくかき混ぜ酒粕を溶かす。砂糖で甘味を加え、さらに甘さを引き立てるために塩少々。
というのが何たって作り方の基本。
ですが、ちょっとした配合の違いで味わいも違ってくるものです。
まずは参考までに、前掲の商品に記載されているレシピを紹介しますと・・・
《男山/新酒板粕》 (10人分)
・水...1.8リットル
・板粕...300g
・砂糖...270g
・塩...少々
《高砂/新酒バラ粕》
・水...500cc
・酒粕...100g
・砂糖...50g
・塩...少々
さらに、違った風味を味わうべく、男山は「生生姜を入れる」、高砂は「砂糖の代わりに蜂蜜を加えたり、大根おろしと生姜を加える」と提案しています。なるほど。
筆者の甘酒はトロッと濃い目
ちなみに筆者の基本レシピは・・・
・酒粕と水は1:4(例/酒粕100gに水400ccというように)
・水100ccごとに砂糖を大さじ1(400ccなら大さじ4)
という、トロっと甘々な甘酒です。甘酒だけに(笑)
酒粕を溶かす、って言ってもけっこう面倒。
筆者は酒粕と水、必要分を鍋に入れ一晩ほったらかして柔らかくする作戦に。
寝てる間に調理が進むなんてラクだな(笑)。
画像は一晩置いたもの。さらっとかきまぜると、ほろほろと粕がほぐれます。
※板粕はこれよりもちょっと固いです
中火で、酒粕を溶かすようにかき混ぜます。
ふつふつと泡が浮いてきたら、砂糖を加えます。
さらに塩を少々入れて味を調えます(入れすぎ注意)。
様子を見て、酒粕のかたまりがなければ撹拌完了。とりあえず完成です。
見ての通り、けっこう濃いです。甘酒のどろっとしてるのがキライ!という人は、もちろん酒粕を減らして結構かと。
また、筆者は近年、低糖質を心掛けているので、砂糖は自分のレシピよりかなり少な目。初めは味気ないと感じますが、慣れると粕の味が分かって来て美味しく感じています。
さあ、飲みましょうという段で、筆者は生姜を少し入れます。
チューブのおろし生姜でも十分に味わえますが、何たって美味しいのは刻みたての生姜!ほのかな食感も加わって、味わい深いことこの上なし!です。
風味が膨らむ上に、生姜は体を温めるとも言いますしね。
甘酒アレンジ
甘酒は他の食品と組み合わせて楽しむこともできます。
その一例をご紹介。
■甘酒オーレ
牛乳を加えて栄養ましまし!
砂糖を加えたホットミルクのようで、思いのほか酒粕くさくないのでイケますよ。
お試しになるならミルクをベースに甘酒を少しずつ足してみて。
■カフェ甘酒
どこだったか、東南アジアの甘~いコーヒーを思い出します。
前掲の甘酒オーレも同様でしたが、何か別なエッセンスを混ぜると、甘酒って裏方に回るというか、思いのほか香りが控えめに感じられます。
コーヒーがお好きでないなら、ココア甘酒(作り方は純ココアで作るときの、牛乳が甘酒に代わっただけ)もイケますよ。
また、甘酒とヨーグルト(無糖)を混ぜるのもアリです。温活でなく腸活にも良さそう。
美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。
・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター