ぶっかけそばとは
この原稿、せっかく用意したのに、不覚にも載せずにアップしてしまった第1弾。
期せずして第2弾を載せることになったので、ああ、よかった、掲載となり無事に生かされた原稿が以下のとおりです(笑)
語源は文字通り「つゆをぶっ掛ける」から。乱暴な言い方だが、その発祥は江戸時代。せいろに盛った蕎麦を猪口に入れたツユにつけて食べるのが主流だったその中で、仕事の合間に短時間で食事をとりたい職人や商人が、立ったまま食べるために(そもそも、せいろと猪口を両手に持つと手がふさがり食べられない)、器に盛った蕎麦につゆをかけた(片手で食べられる)のが始まりとされている。または、短気でせっかちな江戸っ子が、付けつゆの手間を惜しんだ説も。「いちいちつゆを着けるのは面倒でぃ!! つゆをぶっかけてくんな!!」とでも言ったんでしょうか(笑)
美登利 五条店
ぶっかけそば、ありますか?と尋ねる間もなく、メニューの上段に「ぶっかけそば」が。
いやはや、何と明快なぶっかけ推し(笑)
でも待てよ、気になるのが「天ぶっかけ」。天は天ぷらのことだと思うが、どんな天だろ。
天ぶっかけ(980円)
天は、えび天の天であったか。
のっかってるのは、えび天のみのシンプルな盛り付けだ。
ちなみに、どんぶりの横にはそばつゆとそば猪口が。
ぶっかけと言いながら、そば猪口を使ってお上品に食べるもよし、という設えだ。
そば猪口があろうと、自分の行く道はひとつ。
いざ、ぶっかけよ(笑)
ところで、ちょこんと小さな物体があったのをご記憶か。
そば猪口の横にあるのはレモン汁。これまでのぶっかけ食べ歩きでレモンというのはお初。
つゆに混ぜよという意味か、ぶっかけたところにかけるのか、店に確認せず、ここは自分なりに楽しんでみることに。
まずは、レモンかけずに、そばつゆかけたてのピュアな部分をがぼっとすすり込む。
うん、いつもと変わらぬ更科の素朴な香味が心地よい。ここの蕎麦は飽きないな。
さらに、天ぷらの油がほんのり香ばしくもあり、食べ応えがいっそう充実する。
でも、冷たいそばの上に、熱い天ぷらって・・・。
深く考えないようにしているが、考えてみると奇妙奇天烈な食べ物だな(笑)。考えないようにしてるけど。
人はなぜエビ天を目指すのか(笑)
意味のない格言は放っておいて(笑)、冷たいつゆで食べる熱いエビ天も、実にオツである。
熱い天ぷらそばの時よりも、天ぷらが栄えますな。衣の香味が引き立つというか、しんなりしたエビも味わい深い。
熱い、冷たい、というリズムで、胃袋の方は大忙しなんでしょうが。
終盤は、レモン汁で味変を楽しむ。
どこに、ということもなく漫然と振りかけてみたのだが、酸味がほんのりと効いて、うんうん、悪くないね。
清涼感がぐんと増して・・・とまでは言わないが、ほんのりと爽やかな味わいが面白い。
そうだよ、そばに酸味は大いにアリですな。そういや、スダチそばなんてものあったっけ。
お店情報
店名:美登利5条店
住所:旭川市5条通21丁目
電話:0166-35-4623
営業時間:11:00〜20:00
定休日:水曜
駐車場:あり
駅前やぶそば
やぶそばさんの、ぶっかけ推しはかなりのもの。
何たって、メニューを開くと「冷やしぶっかけコーナー」がドーンと。
しかも、何気にヘルシーな予感が。いつも酒で疲労している肉体が、早く何か食べさせよと催促する。
ぶっかけめかぶそば(740円)
ということで「めかぶ」のをチョイス。
こちらは自分でつゆをぶっかけるのではなく、かけて提供してくれるスタイル。
つゆをぶっかけるというより、めかぶと大根おろしをぶっかけました!!という雰囲気だな(笑)
お初のメニューなもので、トッピング部分をちょいと味見。
おっ、大根がぴりっと辛い。
ピリッと鮮烈なおろしたての夏大根。そうそう、この時期のこれはこうでなくちゃね。
いいぞ、スタートから好印象。
これをまぜまぜして頂きますと、まずは、まずは大根の辛さのおかげでそばの素朴な旨味が引き立って美味。それをめかぶの風味が追いかけてくる、そんな味わいの流れが展開されるといった具合。
めかぶのイメージ、人それぞれにございましょうが、ここで頂いたそれは、そんなにどろどろ、ねばねばということもなく、案外さらりとしていたように思う。
つゆは、つけつゆでなくかけつゆの濃さ。なので食べやすい。
うーん、この粘りと喉越しはめかぶならでは。大根の香りに負けず旨味を主張するあたりは何とも好ましい。
清涼感たっぷり、というよりは、滋味じんわり、という食べ応えのぶっかけでございました。
お店情報
店名:駅前やぶそば
住所:旭川市宮下通7丁目駅前ビル1F
電話:0166-22-3884
営業時間:11:00~19:00
定休日:第2・4水曜日(水曜日が祝日は翌日休み)
駐車場:なし
そば処 まる八そば
サービスのおいなりさんをつまみながら、メニューを眺めてみれば、おおっ、ここもスゴイぞ。
こちらも、かなりのぶっかけ推し(笑)
前掲のやぶそばさんがコーナーなら、まる八はシリーズと来た!!
しかも、充実のクオリティー。
どんぶりで食べる冷たいそばは、このメニューの他にも、壁貼りメニューに「冷やしおろしそば」、豚肉と鶏肉による「冷やし肉そば」がある(ともに1,200円)。
それらの中から筆者が選んだのは「カキあげぶっかけそば」。
いわゆるかき揚げですな。どんなかき揚げかなあ(どんな材料かな)と興味が沸いたもので。
カキあげぶっかけそば(1,200円)
ほう、枝豆ですか。夏っぽくて良いかも。
そしてゴボウ。ちょっと一杯やりたくなる系の天ぷらだ。
かき揚げのほかは海苔、おろしとネギ。
恒例、ぶっかけシーン(笑)
何よりまず、美味しそうなかき揚げにかぶりつきたいので、つゆはかき揚げにダイレクトぶっかけ。
ほっこりと揚がったかき揚げは口当たりも優しく、素材のおだやかな旨味がたっぷり。
いやはや、マジで呑みたいよ、コレは。
麺は細打ちの更科。
かき揚げは大きく熱々なので、さすがに冷たく締めた蕎麦もちょっと温まってしまうが、その分、おなかに穏やかな食べ応え。
このかき揚げで楽しむぶっかけ、一興ですな。
お店情報
店名:そば処 まる八そば
住所:旭川市豊岡13条4丁目
電話:0166-32-0808
営業時間:11:00~18:30(木曜14:30)
定休日:金曜日
駐車場:あり
ぶっかけ後記
いかがでしたか。
今回のぶっかけは、あなたの食欲を刺激できたでしょうか。
そろそろ溜まった夏の疲れが身体に出てくる頃。
食が進み、ちょっとは栄養にも配慮したものを食べたいものです。
そんな時、体調と相談して食べたくなるのが、筆者の場合は「蕎麦」であります。
とくに、ぶっかけは好適ですね。あなたにも是非。
美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。
・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター